U18日清食品 関東ブロックリーグ2023 女子 大会レポート 『今を生きる』を掲げて一戦一戦を全力で 鵠沼(神奈川)
2021年にスタートした「U18日清食品 関東ブロックリーグ」は3年目の大会を無事に終えました。「U18日清食品 関東ブロックリーグ2023」女子には8チームが参加し、9月23日から12月3日まで1回戦総当たりのリーグ戦が行われ、鵠沼(神奈川県)が5勝2敗で大会を制しました。 キャプテンの村上蘭菜選手は「私たちはけっして優勝を目標に掲げていませんでした。チームのテーマとして常に『今を生きる』を掲げていて、たとえ負けたとしても、目の前の一戦一戦を全力で戦ったことが優勝という結果に結びついたと思います」と振り返ります。
発展途上のチームが全力を出し切れない試合もありました。初戦の土浦日本大学(茨城県)戦こそ、インターハイ後から取り組んできたバスケがフィットして勝ちましたが、2戦目の日本航空(山梨県)戦では早くも敗れています。その試合が行われたのは、ウインターカップ神奈川県予選を終えて本大会出場を決めた翌週で、村上選手は「気持ちの緩みが出てしまい、その弱さを突かれました」と認めます。 4戦目の作新学院(栃木県)との試合では48-65の大敗。この試合はチームの中心選手である村上選手が大学受験のため出場できませんでした。細木美和子コーチは「選手たちがどこかで『村上がいなくても勝てるだろう』と、相手を計っていたように思います」と敗因を振り返ります。ただ、村上選手は「作新学院に負けたことで、自分たち一人ひとりが変わらなきゃいけないと思えました」と、厳しい結果を正面から受け止めていました。
2敗を喫しましたが、チームとしてその敗因から学び、次の一歩を踏み出すことで、鵠沼は変わっていきました。カギとなったのは11月26日の昌平(埼玉県)戦です。昌平に先行を許すも、第2クォーターから守備を引き締めて流れを変え、78-51の完勝を収めました。その勢いで残る2試合も勝ち切り、逆転での優勝を勝ち取ったのです。
細木コーチは大会をこう振り返ります。「ウインターカップ神奈川県予選を9月中旬に終えてリーグ戦の大半に臨めたので、地に足をつけて試合に臨めていたのは他校とは異なるところかもしれません。実際に選手たちも試合をこなすだけでなく、一つひとつのプレーに意図を持ってプレーする姿勢を見せてくれました。負けることもありましたが、負けることで課題が浮き彫りになりましたし、その課題を修正した上でまたチャレンジできる機会があったという意味でも、これまで以上にその価値を深く実感できたリーグ戦だったと思います」
2位は前橋市立前橋(群馬県)でした。一昨年は「U18日清食品 関東ブロックリーグ」に出場するも昨年大会には出場できず。その悔しさをバネにレベルアップして出場した今大会、鵠沼との直接対決で2点及ばず敗れたことで2位になりましたが、優勝チームと並ぶ5勝を挙げる大健闘でした。最下位のチームが2勝を挙げていることも含め、「U18日清食品 関東ブロックリーグ2023」は大混戦。そうした混戦の中で、鵠沼と前橋市立前橋はもちろん全チームが、結果だけにとわられることなく多くの学びを得られたはずです。
公益財団法人日本バスケットボール協会は、2021年度に「U18日清食品 関東ブロックリーグ」を新設し、2022年度に「U18日清食品 トップリーグ」を新設するとともに、「U18日清食品ブロックリーグ」を関東、東海、中国、四国の4つへと拡大しました。2023年度は東北、北信越、近畿を増設して全国7ブロックでの開催に。今後も「U18日清食品ブロックリーグ」は、トーナメント形式の大会とは異なる一定の試合数が確保された中で競技に取り組み、これまでとは異なる習慣を身につけ、試合に臨む準備を反復できる仕組みを構築することで、さらなる競技力の向上を目指していきます。
U18日清食品 関東ブロックリーグ2023 女子順位表
1位 5勝2敗 鵠沼(神奈川県)
2位 5勝2敗 前橋市立前橋(群馬県)
3位 4勝3敗 昌平(埼玉県)
4位 3勝4敗 明星学園(東京都)
5位 3勝4敗 土浦日大(茨城県)
6位 3勝4敗 日本航空(山梨県)
7位 3勝4敗 作新学院(栃木県)
8位 2勝5敗 昭和学院(千葉県)
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