筒井菜月「最初からやり切ることを意識したい」
名古屋経済大学高蔵(愛知県)
「U18日清食品 東海ブロックリーグ2023」の2日目となった8月10日、名古屋経済大学高蔵は沼津市立沼津との試合で、試行錯誤しながら試合を進めていました。61-60で辛勝を収めた後、福井崇人コーチに試合内容について尋ねると、苦笑いしながらこう話してくれました。
「この大会にはいろいろ目的があるので、それを踏まえて試合をさせてもらいました。勝ち負けも大切ですけど、それよりも目的を考えながらやっていたという感じです。良い意味でチームのためにこの大会を利用することができればなと思っています」
福井コーチが「U18日清食品 東海ブロックリーグ2023」に臨むにあたり、一番の目的に掲げるのは、1対1の強化です。名古屋経済大学高蔵は例年、6月の県総体が終わってからの1〜2か月を個人のスキルアップ期間としているそうですが、今年はこれを磨く絶好の機会として本大会を活用することに。ボールと人が動き続けるこれまでのチームオフェンスを封印し、あえて5対5でなく1対1や2対2といった小さい単位でプレーするよう選手たちに要求しています。
チームには筒井菜月選手や永田ひな選手、灰谷柚香選手と1対1を得意とする選手がいますが、今まで積み重ねてきたスタイルを忘れてプレーするのはそう簡単なことではありません。福井コーチは「積極的に1対1で攻めていこうという話はしていますが、なかなか挑戦してくれないので、そこはもどかしいですね」と言いつつも「1対1は相手によっていろいろ攻め方を変えなければいけないので、難しいことを要求しているとは思います」と選手を慮りました。
福井コーチがこの大会を通じてのスキルアップに期待するのが、ポイントガードの筒井選手です。彼女はこの方針を聞かされた時のことを「1対1? ってちょっとびっくりしました」と振り返り、実際に戦ってみての感触をこのように話します。
「私は1対1が得意ですが、最初は『攻めて』と指示を受けてもなかなかうまくいかず、試合の最後のほうになってから自分で行くか周りに打たせるかの判断ができるようになってきました。試合の最初からそれができないのは、やっぱり対応力がないからだと思います。これからは練習から『最初からやり切る』ことを意識したいです」
昨年まで主力を務めた選手たちが卒業し、今年のチームは実戦経験があまり多くありません。キャプテンでもある筒井選手は、代替わりした時のことを「今の状況ならどこで攻めるか、誰に攻めさせるかを全員で理解できていなくて、チームを作っていくのがすごく大変でした」と振り返り、福井コーチは「去年は選手たちが自分たちのやるべきことを理解していたし、大崩れすることも少なかったですが、今年はその点ではまだまだ。新人戦から比べるとだいぶ良くはなってきていますが、これから頑張らなきゃいけないことがたくさんあります」と言います。
今年のウインターカップでは愛知県女子に3枠の出場権が与えられており、名古屋経済大学高蔵はこの3枠を狙っています。強度の高い相手との連戦となる「U18日清食品 東海ブロックリーグ2023」は、若いチームが経験を積むには最高の場所。「このリーグ戦を通して、自分の身体がしんどい時や、うまくいかない時も継続して戦い続けてほしいですし、ここで得た『これだけやってきたんだ』という自信を持ってウインターカップ予選を迎えたいです」と福井コーチは語りました。
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