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U18日清食品リーグ

就職活動との両立、梅原海凜「目標を達成できた」 県立一関工業(岩手県)

U18日清食品リーグ2023 大会レポート
U18日清食品 東北ブロックリーグ2023
レポート

県立一関工業(岩手県)は、生徒の8割超が卒業後に就職する『実業学校』で、就職を希望する3年生の部員は例年、インターハイが終わると9月中旬の就職試験まで部活を休みます。ところが今年は、就職試験と初開催の「U18日清食品 東北ブロックリーグ」の日程が重なりました。3年生たちは「出場できる貴重な機会だから両立を目指そう」と初めての挑戦に踏み切りました。

就職組の3年生は、授業を終えて面接や作文の指導を受けた後のごく限られた時間しか練習に参加できません。2番手のポイントガードとして試合の流れを変える役割を持つ小野寺來夢選手は「1時間の練習では足りない」と自主練習を行ってから帰宅し、夜遅くまで勉強した翌日、7時20分からの朝練に参加するという生活を送っていたそうです。

U18日清食品 東北ブロックリーグレポート画像 小野寺選手は、「U18日清食品 東北ブロックリーグ2023」の初日となった9月16日に東京で就職試験を受け、その日のうちに岩手に一度戻り、翌日から宮城県での大会に合流するというハードスケジュールを敢行しました。大会最終日の聖和学園(宮城県)はスタメンのポイントガードとして起用され、磨いてきたディフェンスでチームのトーンセットと勝利に貢献しました。 「試験が終わってようやく気が楽になりました」と笑顔を見せた小野寺選手は「両立は大変でしたけど、みんなどちらかに偏らないようにうまく時間配分を考えながら頑張りました」と話しました。

キャプテンの梅原海凜選手は、大会前の心境を「思うようにバスケができない状況で、東北のレベルの高いチームと対戦することは不安でした」と振り返ります。ところが蓋を開けてみると、これまで出場機会がほとんどなかった下級生たちを積極的に起用しながら、ガードの畠山皐希選手、シューターの武居紅葉選手らを軸としたスピーディなオフェンスと、粘り強いディフェンスを見せ、大会2日目の県立能代科学技術(秋田県)との試合では106-101のハイスコアゲームを制しました。 「他のチームと比べて身長がないし、試験で出られない選手もいますが、みんなでリバウンドに入って何度もチャンスを狙って、早い展開を作って、3ポイントシュートもしっかり決めました。大会前にチームで決めた『走り負けない』、『小さくても対抗できるポイントで戦う』という目標を達成できたよい大会になっています」

U18日清食品 東北ブロックリーグレポート画像

梅原キャプテンは県立能代科学技術との試合を終えてこのように話すと、2日後に控えた自身の就職試験のため会場を後にしました。

東北各県の上位チームと公式戦で連戦できる貴重な機会を生かすため、あえて『両立』という難しい選択を選んだ県立一関工業の選手たち。初めてのチャレンジに前向きに取り組みつつ、「U18日清食品 東北ブロックリーグ2023」で大きな収穫を手に入れました。

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