「ディフェンスだけでなく得点も」全勝優勝に貢献
開志国際 #5 中島遙希
「U18日清食品トップリーグ2023」の最終日、第3試合は全勝優勝が懸かる開志国際(新潟県)と、4勝2敗の福岡大学附属大濠(福岡県)による注目の一戦となりました。試合は予想どおり、ハイレベルな激闘に。満員の国立代々木競技場第二体育館は1プレー1プレーにどよめきが起き、熱気に包まれました。
開志国際は#13平良宗龍選手(2年/183cm)やフリッシュニコラス聖選手(3年/198cm)が、福岡大学附属大濠は#14高田将吾選手(2年/189cm)や#4三輪大和選手(3年/181cm)がそれぞれ欠場したものの、両者はレベルの高いプレーを連発しました。試合は流れの奪い合いとなり、前半を終えて福岡大学附属大濠が2点リードと、きっ抗した展開が続きます。
試合が動いたのは後半から。第3クォーター序盤はドライブで切れ込んだ福岡大学附属大濠がリードを拡大したものの、開志国際は#4澤田竜馬選手(3年/168cm)が確率良くシュートを沈めてチームをけん引。逆転からリードを奪って57-51で第4クォーターに入ると、#12千保銀河選手(2年/190cm)がランニングプレーで得点を重ね、引き続き主導権を握ります。残り5分半には#14ネブフィ ケルビン シェミリー選手(2年/198cm)の得点で67-58と9点差を付け、勝利を決定付けたかのように見えました。
それでも、福岡大学附属大濠も諦めずに粘りました。ゾーンディフェンスで足手の足を止め、#5鈴木凰雅選手(3年/191cm)や#8渡邉伶音選手の3ポイントシュート、#10榎木璃旺(1年/170cm)の1対1などで残り3分1点差に。しかしそこから、逆転の“あと1本”がなかなか決められません。
すると、この大事な場面でヒーローとなったのが開志国際の#5中島遙希選手です。ベンチに一度下がった時間帯、「大濠さんがうちのセットプレーを結構研究していて動きが読まれている感じがしたので、自分がコートに出たらドリブルで突破してこじ開けようと決めていました」。その言葉どおり、残り4分で再びコートに戻ると思い切りの良いドライブを仕掛け、難しいシュートをねじ込んで連続得点に成功します。残り15秒には7点差に広げるだめ押しのドライブを決め、73-68でタイムアップ。緊迫した勝負どころで強気な姿勢を貫き、チームを勝利に導きました。
この中島選手は、もともとディフェンスやリバウンドを得意とするプレーヤー。しかし、このU18日清食品トップリーグ2023では、果敢に攻めてオフェンス力でも存在感を見せました。「インターハイのときは、点を取ることよりもディフェンスにフォーカスしていました。でもそれだと負けてしまったので、自分がもっと点数を取りにいこうという気持ちで練習してきました。ウエイトトレーニングに関しても、ケルビン選手が外に広がっても僕がゴール下のディフェンスをカバーできるように、力を入れてやってきました」と言い、攻防両面での自らの成長を実感している様子です。
また、富樫英樹コーチが「夏まであまり経験のなかった選手たちが、すごく伸びた印象があります」と語るように、ベンチメンバーもこのリーグ戦で経験を積み、存在感を増したことは大きな財産でしょう。全国のトップチームが集まるU18日清食品トップリーグ2023を、毎試合10人以上起用しながら総力戦で全勝したことは、一人一人にとって確かな自信になったはずです。インターハイこそ無念の3位となったものの、このU18日清食品トップリーグ2023で強さを証明した開志国際。中島選手はディフェンディングチャンピオンとして臨むウインターカップに向け、「自分的にはあまり連覇のプレッシャーは感じていません。楽しむだけです」と笑顔で話していました。
「U18日清食品トップリーグ2023」は「U18日清食品リーグ公式YouTube」と「バスケットLIVE」で全試合ライブ配信中です。
また、スポーツナビでも一部試合を配信しております。日本中を “沸かす” U18世代国内最高峰の戦いを是非配信にてご観戦ください。
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