中野珠斗「自分ももっとやらなきゃいけない」 県立能代科学技術(秋田県)
「今年の東北はレベルが拮抗しているチームが多く、このブロックリーグも競り合う試合がたくさんできて、すごくよい経験ができました。ただ、最後の最後でやられるケースが多くて、1勝しかできませんでした。これからしっかり克服していきたいです」 最終試合を終えた県立能代科学技術(秋田県)の中野珠斗キャプテンは、「U18日清食品 東北ブロックリーグ2023」をこう総括しました。1勝5敗という結果については「みんな相当落ち込んでいます」とのこと。それでも粘り強い戦いぶりで相手に食らいつき、敗れた試合はいずれも10点差以内の接戦でした。小松元ヘッドコーチは「進路などの事情で思うように練習ができない中、頑張りました」と選手たちの奮闘を称えています。
県立能代科学技術の戦いぶりで、粘り強いメンタルとともに目を引いたのが3ポイントシュートでした。チームプレーでノーマークを作り、中野選手、伊藤賑一選手、小田嶌柊斗選手らが躊躇なく放つクイックな3ポイントシュートが高確率でリングに吸い込まれていきました。 ちなみに中野選手の名前の読みは「しゅうと」。昔からさぞシュートが得意だったのだろうと思いきや、Jr.ウインターカップを制した秋田市立城南中時代は得点に積極的に絡む選手ではなかったというので驚きました。
中野選手は、「小田嶌は中学の時からシューターでしたし、賑一もどこからでもシュートが打てるオールラウンダーだったのですが、自分はあまり3ポイントシュートは打っていませんでした。中学時代は羽黒の小川(瑛次郎)がチームメートで、得点は彼に任せていたところがあったんです。でも高校に入って『自分ももっとやらなきゃいけない』と得点を意識するようになりました」と振り返りました。 中野選手はこのプレースタイルの変更を、責任感を持ってプレーしていくうちに自分のものとします。「去年、先輩たちと一緒に試合に出させていただく中で、ポイントガードであっても3ポイントをしっかり決めていかなきゃいけないと思ってたくさん練習しました。今大会はその成果が出せたと思います」
小松ヘッドコーチは今大会、彼らの高いシュート力をより生かすために、インサイドを起点としたプレーを選手たちに求めましたが、「相手も上手だし、なかなか難しかったですね」と振り返ります。「今までやってきたことを一時的に否定したこともあって、選手たちにはストレスがあったかもしれません。ただ、今大会を通じてやり方は教えられたので、あとは選手たちが本番で選択するかどうかだけだと思います」
3ポイントシュートの自信と、それを生かすための新たな引き出しは、この「U18日清食品 東北ブロックリーグ2023」での収穫となりました。あとは『接戦を勝ちきれるチームになる』こと。この思いを胸に、中野選手は引き続きチームを力強く牽引していきます。
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