U18日清食品 東北ブロックリーグ2023 男子 大会レポート タイムシェアで接戦を勝ち続けたチーム力の勝利 福島東稜(福島県)
「U18日清食品 東北ブロックリーグ2023」男子には6チームが参加し、9月16日からの3日間で1回戦総当たりのリーグを戦いました。
優勝したのは福島東稜(福島県)です。初日は12点差と5点差、2日目は6点差と8点差と接戦を勝ち抜き、最終日には羽黒(山形県)に88-57と完勝を収めての5戦全勝と、文句なしの強さを示しました。
チームキャプテンを務める佐藤獅恩選手は、その強さの理由を選手層にあると語ります。「5人だけじゃなくベンチ入りの15人全員が使えるチームで、15人全員で勝ちきった、全勝できたのがうれしいです。留学生はいますがディフェンスで留学生だけに頼ったりせず、小さなガード陣がルーズボールを取りに行くのを徹底したり、堅守速攻で勝つスタイルを見せられました」実際、接戦を制し続けられたのは常にフレッシュなメンバーがコートに出ていたからこそ。最後の羽黒との試合では、スタメンが信頼に応えて第1クォーターで34-15とリードを奪い、セカンドユニットが思い切りのよいプレーで優位を固めたことで完勝へとつなぎました。
「U18日清食品 東北ブロックリーグ2023」ではどのチームもベンチメンバーや下級生の底上げを意識しますが、福島東稜では特にそれが上手く回っていました。渡部浩一ヘッドコーチはこう語ります。「持っているものはそれぞれありながら、力を発揮できる選手となかなか発揮できない選手がいます。せっかくのリーグ戦なので、どの選手がどの場面で発揮できるかを試して、選手のどこがよいところなのか、どうやれば力が出るのかを見極めました。トーナメントであれば負けてしまえばもう次の試合はありませんが、リーグ戦では次があります。だからこそ試合で苦しくても、選手たちに期待してプレータイムをシェアしています」
チャンスを与えるのと同時に重視しているのは勝つことです。「選手には自信を持ってもらいたい。と言うか、負け癖が付くのが嫌なんです」と渡部ヘッドコーチ。「いろんな選手を使って失敗もしますが、『ナイスプレーだった、もう一回行くぞ』とやっていく中で、最後にわずかな差でも勝てているのは、本当に良い経験です。選手たちには良い自信になったし、新たな課題も明確になったので、また帰って練習したいです」
4勝1敗で2位となったのは八戸学院光星(青森県)です。サイズのあるチームではありませんが、攻守のバランスの良さ、チームの結束力で東北の強豪を次々と撃破。福島東稜には敗れましたが、一時はリードを奪う健闘を見せています。留学生プレーヤーに対しても臆することなく戦って4つの勝利を収めたことで、チームには弾みがついたはずです。
公益財団法人日本バスケットボール協会は、2021年度に「U18日清食品 関東ブロックリーグ」を新設し、2022年度に「U18日清食品 トップリーグ」を新設するとともに、「U18日清食品ブロックリーグ」を関東、東海、中国、四国の4つへと拡大しました。2023年度は東北、北信越、近畿を増設して全国7ブロックでの開催に。今後も「U18日清食品ブロックリーグ」は、トーナメント形式の大会とは異なる一定の試合数が確保された中で競技に取り組み、これまでとは異なる習慣を身につけ、試合に臨む準備を反復できる仕組みを構築することで、さらなる競技力の向上を目指していきます。
U18日清食品 東北ブロックリーグ2023 男子 順位表
1位 5勝0敗 福島東稜(福島県)
2位 4勝1敗 八戸学院光星(青森県)
3位 3勝2敗 羽黒(山形県)
4位 2勝3敗 県立一関工業(岩手県)
5位 1勝4敗 県立能代科学技術(秋田県)
6位 0勝5敗 聖和学園(宮城県)
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