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U18日清食品リーグ

福島健太と渡部琉歩「ウチは走れば点が取れるチーム」
新田(愛媛県)

レポート
U18日清食品 四国ブロックリーグ2024

新田の伝統であるオフェンス特化のバスケは、100点ゲームを連発する無類の破壊力を発揮します。一人が走ることで空いたスペースに次の一人が走り、そこで空いた次のスペースにまた次の選手が走り込む。ポジションレスの5人が猛スピードでコートを駆け回れば、ディフェンス側はマークする相手を視線にとらえておくだけでも一苦労です。

そんなスピードに乗ったフリーランを絶え間なく続けながら何本ものパス繋ぎ、多少のズレができてもフィニッシュには行かずにエキストラパスで相手ディフェンスをズタズタに引き裂く。そのスピードと息の合った連携は、いずれも日頃からオフェンス特化の練習で築き上げた唯一無二のスタイルです。

3年目の出場となる「U18日清食品 四国ブロックリーグ2024」でも、その独特のオフェンスは際立っていました。8月17日の県立海部(徳島県)戦では101得点、翌18日の高知(高知県)戦では94得点と、華麗な得点を次々と生み出しての2連勝スタートとなりました。

リーグ初戦に勝利した後、キャプテンの福島健太選手は「ウチは走れば点が取れるチームなので、キツくても走らなきゃいけない。たくさん走れていたので良い試合だったと思います」と、エースの渡部琉歩選手は「頭が回らなかったら負けです。全員が頭をフル回転させられたら僕たちは強いです」と語りました。2人の言葉はどちらも正しく、考えながら走る、走りながら考えるのが新田のスタイルです。

U18日清食品トップリーグ レポート画像

ただし、攻め一辺倒のバスケには脆さもあります。全国大会になれば相手のディフェンスのレベルが上がり、オフェンスで打ち勝つ展開に持っていけないと勝ち手を見いだせなくなります。また連戦が続けば、ひたすら運動量を求められる新田のバスケは苦しくなります。

それでも昨年のウインターカップは3回戦進出と一定の成果を出しました。この時に福島選手も渡部選手も、ベンチスタートながらローテーションに入って攻めのバスケを支えています。そして今、3年生になった彼らはチームを引っ張る主力へと成長しました。

「チームとしては得点力が武器ですが、インターハイでは点が取れませんでした」と福島選手は話します。土浦日本大学(茨城県)に54得点しか奪えず初戦敗退、というのが夏のインターハイの結果。「僕らは1対1のディフェンスがあまり得意ではありません。集中力が切れると腰が高くなり、ボールを見ていない時間が増えてしまいます。全員で協力してチェックに行き、リバウンドを取りきって、オフェンスに繋げる必要があります。協力して声を出すとか、まだまだやれるところはあります」

渡部選手も思うところは同じ。「相手が強くなるにつれて消極的になる、人任せになってしまう悪い癖があります。そんな時こそ全員が協力して立ち向かえるようになれば、僕らはもっと強いチームになれます」

U18日清食品トップリーグ レポート画像

ただ、インターハイでは大会直前に主力が複数名抜けるアクシデントがあり、新田らしい攻撃バスケの機能性が削がれていました。玉井剛ヘッドコーチは「ウチにとってはインターハイが新人戦みたいなものでした。ここから新田のバスケをまた作っていきます」と意気込みます。

一昨年も去年も、新田のバスケはこのスタイル。過去2年の取材でも、選手たちは新田の攻撃バスケにプライドを持ち、このスタイルで戦うことを心から楽しんでいました。福島選手も渡部選手も、ディフェンスに改善すべき点があることは百も承知ですが、やはり最優先するのは『新田らしいオフェンス』をしっかりと出すことだと言います。

キャプテンとしてリーダーシップを発揮する福島選手と、流れるようなパスワークの中でドリブルで一人抜いてフィニッシュに行ったりアシストをしたりと攻めにアクセントを加える渡部選手。プレースタイルは異なれど、福島選手が「得点がいっぱい取れるような良いゲームを積み重ねて、最後の最後まで楽しむことを意識したい」と言えば、渡部選手は「100点ゲームをいっぱいやって、自分たちが納得のいく終わり方で勝ちきりたいです」と続けます。

新田は自分たちのスタイルを確立しつつも、まだまだ多くの伸びしろを残しています。「U18日清食品 四国ブロックリーグ2024」は、自分たちの眠れるポテンシャルを引き出す挑戦となります。

「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報

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