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U18日清食品リーグ

上田結愛「チームを作り上げていく楽しさを実感したい」
県立熊本商業(熊本県)

レポート
U18日清食品 九州ブロックリーグ2024

県立熊本商業は8月31日の県立佐賀北(佐賀県)との試合を76-84、翌9月1日の明豊(大分県)との試合を65-77と、開幕から2試合続けて接戦を落としました。慶誠(熊本県)が「U18日清食品トップリーグ2024」に出場することでの繰り上がった、「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」の女子では唯一インターハイに出場していないチームですが、あくまで前向きに勝利を目指しています。

県立熊本商業はどの選手もアグレッシブにプレーするのが特徴で、全員がリングを見て積極的に仕掛けていきます。ハマれば大きな爆発力を見せますが、その反面で攻めが単調になりがちで、流れが悪くなるとミスが続くことも。それでも田口智之ヘッドコーチは「どこからでも攻められるチーム作りを目指しているので、みんながリングを見ているのはプラスとしてとらえたい」と語ります。

普通のチームであれば、能力の高い選手が揃っていてもそこには序列があり、3番手、4番手、5番手とそれが下がるにつれて積極性が薄れ、ロールプレーヤーとしてチームを支えることになります。ですが県立熊本商業では誰もが「自分が決める」という気概を持って攻めます。そんな積極性の理由を田口ヘッドコーチはこう説明します。「ああしなさい、こうしなさいと私から選手に押し付けることはしないようにしています。『できることをしっかりやっていこう』と伝えて、トライしたら褒める、成功したらもっと褒める。ちょっと甘いかもしれませんが、そう心掛けています」

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先発フォワードを務める2年生の上田結愛選手は、チームの積極性について「コーチの指導が一番の理由です」と語ります。「私たちがやりたいことを尊重して教えてくださって、やったことに対してダメと言われたことがありません。まず自由にやってみて、そこから少しずつ改善していきます。プレースタイルの幅が広くなって、最初は戸惑いもあったのですが、前のチームの持ち味も生かしながら少しずつ分かってきた感じです」

その上田選手の積極性は、このチームの中でも特に目立ちます。試合を見ていて気付くのは、プレーの緩急の激しさと幅の広さ。ほとんど動かないかと思えば相手の視界から外れた瞬間にトップスピードに乗ってマークを振り切ったり、力強いリムアタックからスピンムーブで相手をかわしてフィニッシュに行ったりと、常に何かを狙っている雰囲気があります。

田口ヘッドコーチによれば「教えられたことだけを徹底する選手が多い中で、一つ教えるとその裏をかくプレーにトライをしたり、とにかくその発想に驚かされる選手です」とのことですが、上田選手は「基本、何も考えてなくて、ひらめいた瞬間に身体が動くみたいな(笑)。前任のコーチからは『野性味がある』と言われていました。自分でもそう思います」と自分自身のプレースタイルを語りました。

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九州各県の代表チームを相手にしても十分に戦う力はありますが、競った展開に持ち込めても勝ちきれない試合が続きます。小さなようで大きな差をどう埋め、ひっくり返すか。上田選手は「インターハイ予選の決勝も同じでした。点差はそれほどないんですけど、追い付けそうで追い付けず、そこからやられてしまう。今日も接戦でしたが、一度も追い付けていません」と語ります。

個々が思い切り良くアタックを仕掛ける積極性はこのチームの大きな武器ですが、その長所はキープしたまま、ここから合わせのプレーの練度を高めたり、勝負どころでセットプレーを使えるようになれば、勝ち筋を見いだせるはずです。「ドライブで無理やり1本打つみたいなところが多いので、もう一つパスを出したり合わせを増やす練習をしていますが、まだなかなか形になっていません。ここはまだ練習が足りないと思います」と上田選手。

この「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」の試合と練習を繰り返す中で、チームとしてどれだけレベルアップできるか。この先、2か月間に渡って続く大会を終えた時に得ていたい収穫を、上田選手は「あまり良い答えか分からないですけど『楽しかった』と思いたいです」と語ります。

「今日は競った試合ができましたが、勝てそうで勝てない試合が続くとストレスが溜まります。やっぱり大前提として勝てば楽しいですし、それだけじゃなくて自分たちでチームを作り上げていく楽しさも、この大会が終わった時に実感できていたらと思います」

「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報

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