倉光晴「一番はやり続けるメンタルだと学びました」
秋田ノーザンハピネッツ U18(B.LEAGUE U18)
秋田ノーザンハピネッツ U18の指揮を執る菊地勇樹ヘッドコーチは、県立能代工業(秋田県)時代に田臥勇太選手とともに3年連続3冠を達成した経験があります。「U18日清食品 東北ブロックリーグ2024」に初出場するにあたり、部活動とB.LEAGUE U18チームの両方の良さを知る指導者として、このように抱負を語っていました。
「Bリーグのユースチームはオフシーズンにはプロ選手に混ざって練習をしたり、プロ選手を間近で見て学ぶことができます。一方の部活動は、学校の体育館でいつでも練習ができる環境があり、選手同士が学校生活の中でコミュニケーションを図ることができます。どちらもメリットがありますが、試合数においては部活動のほうが多いので、私たちにとってはこのような大きな大会で戦えることが何よりの経験になります」
「強いチームには理由があります。私たちの高校時代がそうでしたが、強いチームは様々な大会や試合を経験する中で技術力と精神面の強さが身に着いてきます。この大会は私たちに一番重要な経験が積めるので、どんな相手にもチャレンジしていきたいです」
秋田ノーザンハピネッツ U18は初戦から大激戦を繰り広げました。同県対決となった県立秋田南(秋田県)戦では、後半に得点を伸ばして87-74で接戦をモノにします。また県立一関工業(岩手県)戦では、第3クォーターまで48-59と差を付けられながらも、第4クォーターに19-6で突き放し、67-65で逆転勝利を収めました。しかし、八戸学院光星(青森県)、県立福島商業(福島県)には完敗を喫しています。
「コンタクトプレーのところで圧倒されてしまいました」と語るのは、リバウンドや得点で奮闘したチームの大黒柱、倉光晴選手です。そうした反省をもとに修正して戦ったのが9月21日の仙台大学附属明成(宮城県)との一戦でした。サイズと選手層で上回る相手に一時は差を付けられましたが、最終的には54-57と3点差まで猛追する大健闘を見せました。
「仙台大学附属明成戦は身体をぶつけていくことを心掛けてプレーしたのが通用して、粘ることができました」と倉光選手は試合後に語りました。試合で出た反省を元に修正して次に臨めるのがリーグ戦であり、そのメリットを最大限に生かしたのが倉光選手のパフォーマンスでした。
結果は2勝4敗の5位でしたが、2つの逆転勝利と仙台大学附属明成戦での健闘など、菊地ヘッドコーチが最も大切にする粘り強い姿勢を出せたことは大きな収穫です。「勝ち負けも重要ですが、『ボールを奪いたい』、『ここで何としても守りたい』といったバスケットボールの根本を頑張ることのできるメンタルの強い選手を育てたい」。これが菊地ヘッドコーチのチーム方針です。
精神的にタフな選手になるためには、やはり試合でタフな状況を乗り切る経験が必要だとと菊地ヘッドコーチは語ります。「そういう意味では本当に良い収穫になりました。ただ、この場で経験して終わるのではなく、この経験を持ち帰って繋げることが大切です」
倉光選手も「自分たちがどれだけ部活動のチーム相手にやれるか楽しみでした。良い経験になりました」と連戦での収穫を語り、その上で「東北の強豪相手に一番学んだことはメンタルです」と言います。「部活動のチームはディフェンスの強さや身体の当たりが強い選手が多いです。そんな中で、僕らがどれだけ食らい付いていけるかがテーマでした。そのためには技術も大切ですが、一番はやり続けるメンタルだと学びました。ここで得たことを生かし、自分が精神的支柱になってチームを勝たせる選手になります」
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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