後藤優星「来年こそは勝ちきりたい」
県立津工業(三重県)
「三重県には留学生のいるチームがないので、どれくらい戦えるか分かりませんでした。ですが、思った以上に頑張っています」。こう話すのは、県立津工業を率いる橋向元ヘッドコーチです。
「U18日清食品 東海ブロックリーグ2024」初出場の県立津工業は、試合を重ねることで県内では得られない経験をたくさん積んでいます。津工業は最も身長の高い選手でも185cmと小柄で、「ウチは小さいチームなので、どの試合でも大きい選手をどう守るかが常にカギになります」と橋向ヘッドコーチは言います。
試合を重ねる中で、強力なビッグマンへの対応としてダブルチームで守ったり、ミスマッチを作らせないローテーションで守ったりと、様々なディフェンスがスムーズにこなせるようになってきました。橋向ヘッドコーチは「大きなチームが相手でも自信を持って守れるようになってきているのは本当に大きいですし、このレベルでもそこからトランジションオフェンスに持ち込めるようになっています」と収穫を語ります。
キャプテンの後藤優星選手も「この『U18日清食品 東海ブロックリーグ2024』では留学生のところとか、日本人でもサイズがある選手へのディフェンスをハードにして上手く守れていました」と手応えを語り、自身が実感している『成長』に触れます。
「三重県のビッグマンと比べると、『U18日清食品 東海ブロックリーグ2024』ではもう1サイズ、2サイズぐらい大きい選手がいて、そこをしっかり守らないと勝負になりません。そこはゴール下を守る選手の努力だったり、一人では守れない留学生のところをチームで協力して、声を出して守ることができるようになったと思います。この大会では強いチームと長い期間試合をさせてもらえて、チームとしても個人としても成長できています」
9月23日に対戦した富田(岐阜県)は身長200cmを超える留学生プレーヤーを2人要し、さらに試合序盤からゾーンプレスを使うなど、ただサイズで押すだけでなく今までに経験したことのないディフェンスを仕掛けてきました。そこに苦戦しながらも、チームでボールを回してズレを作っては後藤選手が3ポイントシュートを決めるなど、試合が進む中で県立津工業のオフェンスが攻略に成功する場面も出てきました。またオフェンスが停滞する時間帯に激しいディフェンスで24秒バイオレーションを誘発するなど、攻守に成長を感じさせる内容となりました。
3年生の後藤選手にとって、高校でバスケができる時間は限られています。「入学した頃はステイしての3ポイントシュートを打つぐらいしか通用するプレーがなかったんですけど、この3年間で自分がゲームメイクをしながらドリブルをついた後の3ポイントシュートとか、中へのドライブができるようになりました」と、この3年間での成長を振り返ります。
後藤選手は「まだまだ練習が必要ですが、この大会でも点はそこそこ取れているので、そこは自信になっています」と「U18日清食品 東海ブロックリーグ2024」での収穫を語ります。
後藤選手だけでなく、チーム全体が初出場となる「U18日清食品 東海ブロックリーグ2024」で多くの収穫を得ましたが、残念ながら勝利を挙げられないまま全7試合を終えています。後藤選手はここで得たものを今年だけに留めるのではなく、次に繋げてほしいと願っています。「接戦に持ち込む試合はいくつかできましたが、勝ちきれていません。なので来年はこのレベルでも最後は勝ち切ってくれることを後輩たちに期待したいです」
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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