加藤誠大と八木叶「声をかけてチームを鼓舞していきたい」
羽黒(山形県)
羽黒には齋藤仁ヘッドコーチが「どこに行っても、ここで負けることはまずありません」と胸を張る『2枚看板』がいます。3年生のガードコンビ、加藤誠大選手と八木叶選手です。加藤選手は172cm、八木選手は170cmと小柄な2人ですが、同時にコートに立つことでその力を倍増させるのが特徴です。加藤選手は広い視野と冷静な判断に基づいたゲームメーク、八木選手は抜群のスピードと高い身体能力を生かした得点力で、チームが目指すスピーディなバスケを体現します。
県選抜や東北選抜などの活動を通じて小学生時代から顔見知りだという2人は、それぞれお互いの印象をこう語ります。八木選手は「視野が広くて味方にフリーでシュートを打たせるのが上手く、自分でも得点が取れる選手」と加藤選手を紹介し、加藤選手は「僕より個人技に優れていて、得点能力は東北ではなかなかいないレベル」と八木選手を称賛します。
羽黒に入学した当初は少なからずライバル意識を持っていたそうですが、2ガードとして起用されるようになって「2人でチームを強くする」意識を強め、切磋琢磨を重ねてきました。
9月21日は県立一関工業(岩手県)、県立秋田南(秋田県)とのダブルヘッダー。この初戦の序盤で加藤選手が負傷退場し、県立秋田南との試合にも出られませんでした。齋藤ヘッドコーチによれば、司令塔でありキャプテンである加藤選手がこれだけコートに立てない試合は新チームになって初めてのこと。そんなピンチに奮戦したのが八木選手で、県立一関工業には84-58で、県立秋田南には106-57で、きっちり2勝を挙げました。
「司令塔の役割をちゃんと果たしてくれたので大崩れせずにすみました」と指揮官は八木選手のパフォーマンスを称えましたが、八木選手本人は加藤選手ほどの働きができなかったと反省しきり。「いつもは誠大がボール運びからパスを出すところは全部やってくれて、僕はシュートを打つだけです。今日は『誠大がいないから、全部自分でやらなきゃ』という気持ちが強すぎて、タフな状況でシュートを打って速攻を食らう場面がたくさんありました」
それでも、この2試合での反省からプレーを改善したのが翌9月22日の秋田ノーザンハピネッツ U18(B.LEAGUE U18)、八戸学院光星(青森県)との連戦でした。加藤選手は戻って来ましたが、八木選手もケガを抱えて万全ではなく、負傷したディフェンスの要、サインビルグ オチル選手も出場機会が限られてチームのコンディションは決して良くありませんでしたが、それを言い訳にすることなく自分たちのバスケを展開しました。
最終戦で対戦した八戸学院光星は、加藤選手が「今までずっと負けてきた相手」と言うように、羽黒にとってはどうしても勝ちたいライバルです。加藤選手と八木選手はもちろん、シューターの菅野柊選手、ハッスルプレーが持ち味の谷藤大介といった多く選手が粘り強いプレーで食らい付きます。最終スコア71-76で敗れたものの、優勝チームの八戸学院光星を相手に最後まで勝敗の行方がわからない戦いを見せました。
羽黒は4勝2敗の3位で大会を終えましたが、齋藤ヘッドコーチはチームとしての収穫を「今のコンディションでダブルヘッダーを2日間戦い抜いたこと」と語ります。「この大会に向けて2試合分の体力をつける練習に取り組んできました。加藤と八木も、これまでは体力的にキツくなるとミスが増えたり、ディフェンスで走れなくなりがちでしたが、今日は2試合ほぼフル出場でもしっかりプレーできたのが成長だと思います」
加藤選手は「もっとディフェンスの強度と突破力を上げたい」と、八木選手は「もっと落ち着いて、周りを生かすアシストを増やしたり、声をかけてチームを鼓舞していきたい」と、さらなる成長を誓います。このガードコンビを軸に、羽黒はさらなる高みを目指します。
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