鳥取城北は4戦全勝で「U18日清食品 中国ブロックリーグ2024」を制し、これで大会3連覇を成し遂げました。インターハイでは1回戦を突破したものの、2回戦で聖和学園(宮城県)に72失点を喫して敗れました。そこで夏の課題に向き合うことをテーマに、「U18日清食品 中国ブロックリーグ2024」では全試合で失点を60以下に抑えることをチームの目標としました。それは主力だけでなく経験の浅い下級生に出場機会を与えながらも、この数字をクリアすることを意味します。
初戦の比治山女子(広島県)戦は73-57、続く松徳学院(島根県)戦も96-41と60失点以下に抑えて迎えた県立下松(山口県)との試合では、オフェンス面では相手のスイッチディフェンスへの対応に苦しみ、得点が思うように伸びませんでしたが、強度の高いディフェンスから速攻へと繋げることで流れをつかみ、93-52で勝利しました。
立ち上がりの重い展開を変えたのは、キャプテンの横井初選手でした。相手に簡単に前を向かせない強度の高いディフェンスを主導し、ディフェンスリバウンドからのコースト・トゥ・コーストを連発。相手ディフェンスの注意を引き付ければ仲間のシュートをお膳立てするなど、果敢にリングに向かっていくプレーでチームに勢いを与えました。
横井選手は「ドリブルすることでディフェンスが私に寄って、それで周りを生かせるので、自分で攻めることを意識していました」と振り返ります。石谷洋祐ヘッドコーチも横井選手について「スピードがあって3ポイントシュートも入る選手なので、チームが厳しい時に打開してくれるプレーを期待しています」と信頼を語ります。
攻守の中心となる横井選手ですが、もう一つ重要な役割でチームを支えています。石谷ヘッドコーチが「苦しい場面でもいつも笑顔でプレーして、チームを明るくしてくれます」と言う前向きな姿勢です。試合中の横井選手はプレーが途切れるたびに仲間に駆け寄ります。ディフェンスの強度が高いためにファウルになるシーンがあっても、そのたびにファウルをした選手を笑顔で励まし、特に1年生には試合中にもアドバイスの言葉を掛け続けました。
笑顔でプレーすることについて横井選手は「意識してやっています」と照れながら明かしてくれました。「暗い雰囲気では調子も下がってしまいます。まず私が明るい雰囲気でプレーすることで、周りも影響されて楽しくできるというモチベーションでやっています」
石谷ヘッドコーチは「2年ほど前から、チームの目標とは別にビジョンを掲げる取り組みを始めました」と言います。「そこで『周りの人に対して良い影響力を与えよう』といったことをチームのみんなで考えるようになり、みんな自然とできるようになっていきました。『挨拶をしなさい』と言うよりも『周りに良い影響を与えよう』の方が自然とそういう振る舞いができるのではないかと思います」
その影響は試合以外にも出ています。10月19日と20日に行われた試合は鳥取城北が会場だったため、受付などの大会運営を担当したのは鳥取城北の選手でしたが、受付担当の1年生も明るい声で挨拶をし、大会運営の仕事にも前向きに取り組んでいました。
10月20日に行われた倉敷翠松(岡山県)との事実上の決勝戦は、一進一退の攻防が続きましたが、最終スコア80-77で勝利。試合前に横井選手は「絶対に優勝したい」と語っていた通り、優勝を決めて「めっちゃうれしいです!」と満面の笑みを見せました。「今大会を通して一人ひとりがトライすることを意識して、それができていて良かったです。いろいろなチームと試合ができて、『U18日清食品 中国ブロックリーグ2024』は楽しかったです」
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