成清壮潤「チームを引っ張ってきっかけを作る」
八女学院(福岡県)
八女学院は初開催の「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」を1勝7敗で終えました。福岡県では「U18日清食品トップリーグ2024」に出場している『2強』に次ぐ立場で、県を勝ち抜くのが難しいため、トップレベルでの試合経験は貴重な機会です。蒲澤琢巳ヘッドコーチは「可能性を持っている選手は多いので、経験を積むことができれば絶対にもっと伸びると思っています。いろんな経験をこの大会でさせてあげたい」と話します。
成清壮潤選手はこの夏から秋にかけて急成長し、頭角を現した2年生ガードです。ウインターカップの出場権を勝ち取ることができず、3年生はまだ残っていても下級生主体のチームで戦った「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」後半戦では、成清選手もプレータイムを伸ばしました。
「3年生がいない分、自分がもっとやるという気持ちももちろんありますし、チームとして始動したばかりなので、誰かが引っ張ってきっかけを作らなければいけないところで、それを自分がやろうという気持ちで、今まで以上にペイントアタックに積極的に行こうと思っていました」と成清選手は言います。
これまではムバンワ パトリック選手、ムバヤ ステファン選手という2人の留学生プレーヤーを中心としたバスケをやってきましたが、2人が卒業する来年には新しいスタイルで戦うことになります。成清選手はそれを意識しています。「僕たちはオールコートで力強いディフェンスから、外も中も全員でやるバスケを目指しています。これまでは困った時には留学生にパスを入れていましたが、これからはそれで何とかなるわけじゃないので、みんなでパスを回すバスケをやっていきます」
留学生に合わせたスローテンポなハーフコート主体のオフェンスも、これからはペースを上げることになり、成清選手がそのキーマンになります。ここ数試合、ベンチから成清選手がコートに入ると、八女学院のバスケはガラリと変わります。縦へ強いパスを出して味方を走らせるのが彼のプレーメーク。チームメートもそれを知っているため、成清選手がボールを持つと一斉にコートを駆け上がり、オフェンスのテンポが格段に速くなります。
「ミニバスがパスで繋ぐチームだったので、先生からそういう縦に強いパスの指導を受けていました。ドリブルでボールプッシュするよりもパスでシンプルに動かした方がチームのペースは上がるし、リズムも変わって相手もやりにくいと考えています」と成清選手は自分のプレーを説明します。
縦へと繰り出す大胆なパスは、相手にカットされるリスクもありますが、「相手の目線を見て、パスを出す自分を見ていない瞬間のタイミングを狙って出すとか、そういう工夫をしています」と話す成清選手の強いパスは、前へと走るチームメートの手元へと気持ち良く収まります。
ずっと磨いてきたこのプレーに成清選手は自信を持っており、これがチームに積極性を与えるきっかけになると考えています。その上で「まだ今はパスファーストになっているので、もっと相手にプレッシャーを与えるためにも自分でペイントアタックに行く強い気持ちが必要です。今はそこを意識してプレーしています」と、さらなる成長を追い求めています。
ウインターカップの県予選で福岡第一との試合に出場した成清選手も「フィジカルで困ることはなかったし、ペイントアタックにも行けました」と、ここで得た手応えを次の成長に繋げようとしています。「相手へのリスペクトはありますが、自分たちが受け身になったら強豪チームには絶対に勝てません。そこはチーム全員で気持ちを高めてやっていくつもりです。今は2年生がみんな『自分が引っ張っていく』という意識を持ってチームの良い雰囲気を作り出しているので、その中で自分が一番にチームを引っ張っていけるよう頑張ります」
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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