「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」では、日本航空が2年連続の全勝優勝を飾りました。優勝争いのカギとなった12月1日の正智深谷戦、第1クォーターを15-26と出遅れるも、そこから立て直しての逆転勝利。前日の船橋市立船橋(千葉県)との試合でも、序盤は相手に先行を許ししながら93-63と大勝しています。正智深谷戦のテーマは「もう一歩前に出て、ディデンスの圧力を強めよう」で、立ち上がりは上手くいきませんでしたが、試合が進む中で修正できました。
山本裕へッドコーチは「正智深谷が最初から集中して素晴らしいバスケをしたのに対し、タイムアウトだったりクォーター間、ハーフタイムにアジャストして上手く対応できました」と勝因を語ります。「長いリーグ戦で試合ごとに課題を修正しながら乗り切ることができました。日程的には大変ですが、都度テーマを持ってやれるのがリーグ戦の良いところです」
日本航空も他の多くのチームのように、主力だけでなく普段はプレータイムの少ない下級生にもチャンスを与えながら「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」を戦いました。ただ、あくまで長く使うのはベストメンバーです。「経験のない選手に一気に切り替えると流れが悪くなり、そこで悪いイメージが付いてしまうと次に繋がりません。多くの選手を使いながら勝ちに行くつもりで戦いました」と山本ヘッドコーチが説明する起用法で、苦戦する試合もありながら8つの勝利を積み重ねました。
正智深谷は7勝1敗で2位になりました。正智深谷は2年前に「U18日清食品トップリーグ2022」に、去年は「U18日清食品 関東ブロックリーグ2023」に出場しています。2年前を「リーグ戦をどう戦ったらいいのか、正直分からないところからのスタートでした」と成田靖ヘッドコーチは振り返りますが、今は違う見方をしています。
「トーナメントは一回負けたら終わりですし、練習試合は所詮、練習試合なので、そこで良いプレーができても公式戦でやれるとは限りません。こういう試合は選手たちがユニフォームを着て、勝ち負けを意識して戦います。良い緊張感を持ってプレーする中で、上手くいったプレーは成功体験になるし、良くないプレーがあれば修正していけばいい。試合のたびに出る課題を練習で直していくのは大変ですが、トーナメントでそれが出てしまえば命取りですから、貴重な経験です」
6勝2敗で3位となった桐光学園(神奈川県)は、インターハイでは2回戦で東山(京都府)に挑むも、大舞台の緊張からか自分たちの実力を出せないまま敗れています。彼らにとって「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」は、緊張感ある公式戦のコートで自分たちのバスケを展開する機会となりました。船橋市立船橋(千葉県)戦、土浦日本大学(茨城県)戦では終盤までもつれる接戦を2点差、1点差で制しています。今の彼らには、夏にはなかった自信が備わっています。
千葉ジェッツ U18は「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」初出場で3勝5敗の6位となりました。5敗を喫しましたが大敗した試合はなく、B.LEAGUE U18チームらしい安定感のあるディフェンスは、高校の強豪チームにも十分に通用したと言えます。
大久保恭輔ヘッドコーチは「本当にこの大会に出て良かったです」と笑顔で語りました。「高校の強豪チームを相手に自分たちのバスケが40分間できるかどうか。難しい局面もありましたが、そこで『自分たちのバスケをもう一回考えてやろう』と立ち返ることができました」
高校のチームにとっても、B.LEAGUE U18の環境に触れることは新鮮な驚きでした。千葉ジェッツ U18は、トップチームも使用するロックアイスベースで練習をしており、「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」のホームゲームもここで行いました。日本航空の山本へッドコーチは「ウェイトルームがあって、食堂には管理栄養士がいて、身体作りがしっかりできていることがプレーにも表れています。なかなか同じようにはできませんが、こういう育成環境を見て学ぶことも大切です」と、施設の充実ぶりに感心していました。
1位 8勝0敗 日本航空(山梨県)
2位 7勝1敗 正智深谷(埼玉県)
3位 6勝2敗 桐光学園(神奈川県)
4位 5勝3敗 國學院大學久我山(東京都)
5位 4勝4敗 土浦日本大学(茨城県)
6位 3勝5敗 千葉ジェッツ U18(B.LEAGUE U18)
7位 2勝6敗 前橋育英(群馬県)
8位 1勝7敗 船橋市立船橋(千葉県)
9位 0勝8敗 文星芸術大学附属(栃木県)
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