9月7日から12月8日にかけて開催された「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」女子は、八雲学園の初優勝で幕を閉じました。2022年に続き2度目の出場となった八雲学園は、主力に2年生の多いチームながら、198cmの長身を誇るエースのディオップ ソハナ選手を軸とした強力なオフェンス力が武器。初戦の鵠沼(神奈川県)戦を100点ゲームで制すると、以降も無敗のまま優勝に駆け上がりました。
最終日となった12月8日は、八雲学園と昌平(埼玉県)の全勝対決となりました。サイズの不利をハードワークと俊敏性で補う昌平のバスケに苦戦し、前半終了時に43-49とビハインドを負います。しかし、キャプテンで3年生の和田月希選手の得点をきっかけに勢いに乗ると、第4クォーターは持ち前のオフェンス力を発揮し、一挙30得点で試合をひっくり返して95-87で勝利しました。
「都道府県で優勝するチームはそれぞれが突出した特徴を持っています。そういったチームとたくさん公式戦を戦わせてもらって、私も選手たちもすごく勉強になりました」。このように大会を振り返る八雲学園の高木優子ヘッドコーチは、自分たちの現在地を確認した上でトライ&エラーを重ね、成長していく場所として「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」を活用したと話します。
「負けたらここでおしまい、という大会がほとんどですが、この大会は自分たちの力がどれだけ通用するかを試すのにとても良い機会です。大会序盤はソハナがインサイドでボールを持つのを他の選手がただ見ているだけというシーンもありましたが、徐々に全員が思い切ってゴールに向かったり、サイズが大きくない選手がリバウンドに飛び込んだりという意識が芽生えました」
「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」はホーム&アウェーの開催が多く、八雲学園はすべての試合を自分たちの体育館で戦いました。大会の装飾をしたり、受付業務を担ったりと、試合以外にもやることが多くなりますが、高木ヘッドコーチはこれも良い経験と振り返ります。「いつもの体育館ではありますが、いつもと異なる雰囲気の中で戦えることが選手たちの励みになります。それぞれがそれぞれのテーマを持って戦えるという意味でも、すごく良い大会でした」
昨年の「U18日清食品 関東ブロックリーグ2023」で初優勝を飾った鵠沼は5勝2敗の3位となりました。神奈川県では絶対女王として君臨する鵠沼にとって、県外の強豪と肌を合わせるこの大会はチームのステップアップを図る上で欠かせない役割を果たしていると細木美和子ヘッドコーチは話します。
「昌平さんに負けた時、選手たちから1年ぶりくらいに『球際が弱い』という言葉が出ました。県内では気付けなかった、各県のトップチームと対戦したからこそ見付かった発見でした。久しぶりにワクワクするような反省ができたので『ブロックリーグよ、教えてくれてありがとう!』という気持ちになりました(笑)」
初出場を果たした千葉英和(千葉県)は1勝6敗という悔しい結果に終わりましたが、藤岡麻菜美ヘッドコーチは元日本代表選手らしい視点から大会で得た収穫をこう振り返りました。
「結局、試合というのは40分の中でどうやって相手にアジャストしていくかの勝負です。選手たちには『誰が点を取るのか、キーマンは誰なのかを試合開始からの10分間でしっかり見極められるように』と常に言っています。現状のチームの実力を見たら、どのチームと対戦しても厳しい結果になるだろうと想像していましたし、実際に1試合しか勝てませんでしたが、アジャストのレベルを上げる経験値をたくさん得られました。この経験が選手たちの2年後、3年後に生きてくると思います」
チームが抱える強みや課題に様々なルートからアプローチできる「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」は、今年も無事に閉幕しました。4年目となる来年はどのような展開が見られるのか、今から楽しみです。
1位 7勝0敗 八雲学園(東京都)
2位 6勝1敗 昌平(埼玉県)
3位 5勝2敗 鵠沼(神奈川県)
4位 3勝4敗 日本航空(山梨県)
5位 3勝4敗 矢板中央(栃木県)
6位 2勝5敗 前橋市立前橋(群馬県)
7位 1勝6敗 千葉英和(千葉県)
8位 1勝6敗 土浦日本大学(茨城県)
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