「一つでも多く自分たちの課題が克服できるように」
美濃加茂 #4 藤田大輝
「U18日清食品トップリーグ2024」に初出場を果たした男子3チームのうちの2チーム、美濃加茂(岐阜県)と京都精華学園(京都府)が、9月15日(日)に日立柏体育館で火花を散らしました。
美濃加茂は全国高等学校総合体育大会(インターハイ)で決勝進出を果たしたチーム。一方の京都精華学園は、美濃加茂がインターハイ決勝で敗れた相手・東山(京都府)に、京都府予選決勝リーグで78-82と僅差の敗北を喫し、惜しくもインターハイ出場を逃したチームです。そんな因縁を持つ両チームの対戦は、序盤から非常に見ごたえのある展開となりました。
試合は京都精華学園#7 善山莞太選手(3年/180cm)の3ポイントシュートで幕を開けましたが、序盤はやや美濃加茂ペース。#8 深見響敏選手(3年/174cm)が2本の3ポイントシュートを決めるなど、開始約4分で11-7とリードしました。京都精華学園はここから素早いトランジションゲームを仕掛け、#23 東郷然選手(3年/187cm)の距離のある3ポイントシュートなどで22-4のランを繰り出し29-15と一気に14点差のリードを築きます。
ビハインドを背負った美濃加茂でしたが、第2クォーターの序盤には#6 アブドラ ムハマド選手(2年/200cm)の力強いドライブや深見選手の3ポイントシュートで反撃に転じ、このクォーター残り6分24秒の時点で京都精華学園のリードは31-29と僅か2点に。ただ、チームの大黒柱であるエブナ フェイバー選手(3年/203cm)を欠く美濃加茂に対し、高さに勝る京都精華学園が時間とともにトランジションとリバウンドの威力を強め、第3クォーター終了までには61-51と再び2桁の点差に広げました。
このまま京都精華学園が押し切るか…。そんな雰囲気も漂い始めた中で始まった第4クォーターでしたが、美濃加茂はフルコートプレスで京都精華学園のミスを誘い、ムハマド選手のフリースローなどで猛追。残り4分37秒、#7 関健朗選手(3年/177cm)のフリースローでついに64-64と同点に。さらにプレスディフェンスで京都精華学園のターンオーバーを誘って11-2のランに成功し、残り3分を切って75-66と9点のリードを積み上げました。
流れを失った京都精華学園でしたが、#14 西村晴太選手が(3年/168cm)値千金の3ポイントシュートを沈めたところから最後の反撃に転じます。この時間帯に美濃加茂のチームファウルが5に到達したことで得たフリースローを#13 新開温矢選手(3年/182cm)が6本しっかりモノにし、東郷選手の逆転3ポイントシュートも成功。残り1分で78-77とリードを奪い返し、そのまま81-77で押し切りました。京都精華学園はうれしい「U18日清食品トップリーグ2024」初勝利です。
大きな波が行ったり来たりする展開の試合に、敗れた美濃加茂の#4 藤田大輝選手(3年/187cm)は悔しそうな表情でしたが、チームとして、個人としての課題を見つめて前を向くコメントを残しています。「『U18日清食品トップリーグ2024』を全勝優勝をしようとみんなで話し合っていましたけど、この負けで終わりではないので、今後の試合で一つでも多く自分たちの課題が克服できるように、修正できることを見つけられるように頑張っていきたいと思います」
第4クォーターの反撃の場面では、控えの#9 福田玲生選手(3年/170cm)がチームとしてのディフェンスを引き締める良い仕事をしてくれたといい、層の厚みを増していきたいという課題についての好感触もあったようです。終盤に積み上げたリードを失ってしまったことは大きな反省材料ですが、「点差が開いて心のどこかで勝ったなと思ったことで隙ができて、そこを突かれて負けたのかもしれません」と、キャプテンとしてしっかり向き合っていました。美濃加茂は「U18日清食品トップリーグ2024」での初勝利には届きませんでしたが、今後一戦一戦の成長に期待がかかります。
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