誰にも負けないディフェンダーへ
岐阜女子 #9 林 琴美
「相手は攻守の切り替えが速いオフェンス型のチームだったので、自分たちのディフェンスを徹底しようと昨日から話していて、それが実現できたことは次につながる経験でした」
岐阜女子(岐阜県)の#9林琴美選手は試合をそう振り返りました。3週目を迎えた「U18日清食品トップリーグ2023」で千葉経済大学附属(千葉県)と対戦した岐阜女子は、持ち前のディフェンスで立ち上がりの7分間で19-6のランを展開。そのまま主導権を渡さず最終スコア90-73で2勝目を挙げました。
試合序盤にエースの#4絈野夏海選手が負傷交代し、この試合は大事を取ってコートに戻ることはありませんでしたが、そんなチームをまとめ上げたのが2年生の林選手でした。スタッツ面では6得点、10リバウンド、1アシストと小柄(163cm)ながら特にリバウンドで奮闘。バランスよく活躍しながらもターンオーバーはゼロと、安定してチームのオフェンスをけん引しました。
しかし、彼女の真骨頂はスタッツに表れないディフェンス面での貢献です。ひとたびコートに立つと豊富な運動量を生かして走り回り、対人ディフェンスはもちろん、オフボールでも絶妙な間合いでボールの出どころに飛びつき、相手のミスを誘発。
林選手がコートに立っている時間帯は、千葉経済大附はなかなかリズム良くオフェンスを展開することができていませんでした。
林選手は自身のディフェンスについて「自分はオフェンスよりもディフェンスを期待されているので、ディフェンスからチームの流れを持ってくることを意識しています。自分のマークマンだけを意識してしまうとボールマンがプレーしやすくなってしまうので、まずはボールマンを優先して逆サイドにいても自分がヘルプにいけるように意識しています」と、語っています。
そんな林選手ですが、ディフェンスに注力し始めたのは中学時代のケガがきっかけだったそう。「実は中学のときに手のケガをしてしまってバスケができない期間がありました。そのときに足を使うことを意識して練習して、そこからディフェンスが得意になりました」
それを転機に点を取ることよりもディフェンスに楽しさを見いだし、特に「ヘルプにいったりチームで協力してディフェンスが成功したときが一番うれしい」とチームディフェンスでも力を発揮する現在のスタイルを確立していきました。
千葉経済大学附属戦では後半で42得点を許し、トータル73失点にも満足していません。「終盤になってくると集中力や体力がなくなってくるので、最初から最後まで集中して体力も持つように工夫してやっていきたいです。個人としては身長が低い分、オフェンスでは差が出てくると思うので、その分、ディフェンスで補えるように、誰にも負けないくらいやりたいです」
そう語る林選手が目指すが男子日本代表としても活躍する河村勇輝選手。サイズ差を運動量と粘り強さ、抜群の読みからくるディフェンスでカバーする河村選手のように、林選手もディフェンダーとしてさらなる高みを目指していきます。
「U18日清食品トップリーグ2023」は「U18日清食品リーグ公式YouTube」と「バスケットLIVE」で全試合ライブ配信中です。(※バスケットLIVEはシステムメンテナンス等により、一部試合のライブ配信が行われない場合があります。)
また、スポーツナビでも一部試合を配信しております。日本中を “沸かす” U18世代国内最高峰の戦いを是非会場、または配信にてご観戦ください。
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