「上級生としてどんなときでもチームを鼓舞できるように」
中部大学第一 #14 佐渡樹也
「U18日清食品トップリーグ2023」、9月30日の最終試合では福岡第一(福岡県)と中部大学第一(愛知県)が対戦。両チームは昨年のウインターカップ準決勝で顔を合わせ、この試合では福岡第一が勝利を収めています。
全国初優勝を飾った一昨年のインターハイ以来、2つ目のビッグタイトルをこの「U18日清食品トップリーグ2023」で目指す中部大学第一ですが、ここまで2試合を戦って、北陸(石川県)に74‐75、東山(京都府)に57‐84と勝ち星を挙げることができていません。今年の中部大学第一は下級生が主体のチームとなっており、今回の試合のスタメンも、#4前田凌侑選手(2年/192㎝)、#6西村謙槙選手(1年/176㎝)、#16トゥレ・サリウ選手(2年/206㎝)と3人が下級生で、彼らを#14佐渡樹也選手(3年/188㎝)、#17外山颯紀選手(3年/173㎝)という上級生が引っ張ります。
実戦の舞台で経験の少ない下級生をリードするのは簡単なことではありません。しかし、今リーグのここまでの経験がチームを着実に成長させ、今回の福岡第一との試合は攻防で一歩も譲らぬ展開。最後まで手に汗握る大接戦となりました。結果は惜しくも94‐104と敗れましたが、今回の経験もまた、数字には表れないものを残しました。
両チームを通じて、得点/リバウンドで最高のスタッツ(22得点/16リバウンド)を残したのは中部大学第一の佐渡選手。外山選手も佐渡選手に次ぐ21得点を記録しており、両チームを通じて2番目の数値。上級生の奮闘が見事にチームを引っ張ったことが伺えます。
佐渡選手は前々週、そして前週とスタメンから外れ、シックススマンの役割を担っていました。その理由を尋ねると、佐渡選手は次のように答えてくれました。「インターハイで負けて(ベスト16)、その後の自分の姿勢にチームを引っ張る上級生としての自覚が足りないということで一旦スタメンから外され、自分を見つめ直しました」。
スタメンを外された悔しさは想像に難くありません。しかし、そんな“自分を見つめ直した時間”が、今回の福岡第一との試合で見せたプレーにもつながったのでしょう。コート上での集中しきった表情は鬼気迫るものがあり、文字どおり攻防での体を張ったプレーは、1年後、2年後に最上級生となる後輩たちに背中で語っているようにも見えました。
「試合に出てない選手も含めて、本当に有望な下級生が揃っていると思いますが、やっぱり1年のうちからいろいろ背負わせ過ぎるのは酷なので、上級生である僕たちがチームを引っ張って、1年生がもっともっと思い切りプレーできるようにしてあげたい」。コート上の厳しさとは異なる、優しい先輩の表情で佐渡選手は語りました。
目指す1勝は持ち越しとなりましたが、佐渡選手は決して下を向くことはありません。「上級生として、チームが暗いときにも声を出して引っ張っていくのが僕らの役割。そこをもっと突き詰めて、どんなときでもチームを鼓舞できるよう頑張っていきたいと思います」。そう語る佐渡選手の眼差しは力強く輝いていました。
「U18日清食品トップリーグ2023」は「U18日清食品リーグ公式YouTube」と「バスケットLIVE」で全試合ライブ配信中です。(※バスケットLIVEはシステムメンテナンス等により、一部試合のライブ配信が行われない場合があります。)
また、スポーツナビでも一部試合を配信しております。日本中を “沸かす” U18世代国内最高峰の戦いを是非会場、または配信にてご観戦ください。
この記事をシェアする