群馬県・高崎アリーナで開催中の「U18日清食品トップリーグ2023」。10月8日の第2試合はここまで1勝2敗の聖和学園（宮城県）と、3戦全勝の大阪薫英女学院（大阪府）の対戦。大阪薫英女学院は、先週の新潟大会ではインターハイ優勝の京都精華学園（京都府）を逆転で破るなど勢いに乗っており、今週の高崎大会の３連戦でその勢いにさらに加速度を付けたいところ。一方の聖和学園は、インターハイ準々決勝で大阪薫英女学院に67‐71と惜敗しており、そのリベンジを目指す今回の対戦となりました。

第1クォーター、ゴール下から先制のシュートを決めたのは大阪薫英女学院の＃11三輪美良々選手（1年／178㎝）。続けて＃5島袋椛選手（3年／175㎝）のシュートも決まると、聖和学園も＃9阿部友愛選手（2年／175㎝）がチーム初得点で対抗。そこから大阪薫英女学院は島袋選手、＃4木本桜子選手（3年／167㎝）、＃7松本莉緒奈選手（3年／175㎝）らの連続得点で13‐4と差を広げますが、聖和学園も阿部選手に加え、＃13齋藤凌花選手（1年／164㎝）、＃12竹本歩生選手（2年／163㎝）ら下級生の奮闘で追い上げ、このクォーターは大阪薫英女学院の22‐18で終了。

続く第2クォーターも先行する大阪薫英女学院を聖和学園が追いかける展開に。阿部選手が高い運動能力を駆使して相手の厳しいディフェンスをかいくぐり、難しい体勢からのシュートを何本も決め切れば、＃8内田理香選手（2年／178㎝）は強いフィジカルを生かし体を張ったリバウンドなど気迫に満ちたプレーで仲間を鼓舞。前半を終えて42‐38と大阪薫英女学院のリードは変わらないものの、強度の高い攻防で聖和学園も必死についていきます。

そんな緊迫した展開は試合後半も続き、第3クォーターを終えて65‐56と10点差内で追いかける聖和学園。しかし、大阪薫英女学院は島袋選手の攻防に渡る活躍や松本選手の高確率の3ポイントシュートなどで終盤に向かってジワリとリードを広げ、結果は85‐62。最後に点差は開きましたが、攻防で高い強度のプレーを見せた聖和学園の勝利に対するひたむきな姿勢が、試合を引き締まったものにしました。

この試合で先制点を挙げた大阪薫英女学院の三輪選手ですが、スタメンで唯一の1年生（他の4人は3年生）であるのにもかかわらず、その堂々とした戦いぶりが目を引きました。終わってみれば、40分中、35分を越える出場時間で、身長を生かしたポストプレーのみならず、チャンスとあらば果敢にドライブで切り込んでゆくプレーも見せるなど身体能力の高さを随所で発揮。10得点、10リバウンド、2スティール、2ブロックという数字を残し、４勝目を呼び込む活躍を見せました。

長身の利を見込まれて春にはすでにメンバーとして起用されるようになり、インターハイでも登録メンバーに選ばれた三輪選手。前述の聖和学園との準々決勝では10分あまりの出場時間にとどまっていたのと比較すれば、「U18日清食品トップリーグ2023」での成長ぶりは一目瞭然で、安藤香織コーチの期待の高さや上級生からの確かな信頼も伺えます。

「まずはうれしい気持ちが最初にあったのですけれど、チームの一員としての責任を持ってやらなければいけないと、緊張感がやってきました」と最初にメンバーに選ばれた春の頃を振り返る三輪選手。実戦の舞台も「最初の方は本当に緊張して、すごくびびってしまって、あまり自分らしいプレーができなかったのですけれど、回を重ねるごとに少し緊張が和らいで、まずは自分の自信のあるプレーをしっかりやろうとしたら結果が出てきたかなと思います」と手応えを感じている模様。

まだ1年生だけに、これから幾多の試練や困難にぶつかることでしょう。しかし、コート上での堂々とした戦いぶりは、その初々しさに隠れた三輪選手の強い覚悟を感じさせるものでした。

「U18日清食品トップリーグ2023」は「U18日清食品リーグ公式YouTube」と「バスケットLIVE」で全試合ライブ配信中です。（※バスケットLIVEはシステムメンテナンス等により、一部試合のライブ配信が行われない場合があります。）
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