「U18日清食品トップリーグ2023」、群馬県の高崎アリーナでの最終試合となる10月9日の第3試合は、ここまで5敗の藤枝明誠（静岡県）と、3敗の仙台大学附属明成（宮城県）が顔を合わせました。どちらが勝っても今リーグ初勝利となるだけに、一戦必勝の全力を尽くした戦いが予想されました。

試合は、そんな両チームの1勝にかける思いが激しく交錯する接戦となりました。＃7佐藤晴選手（3年／189㎝）のシュートで先制した仙台大学附属明成は、各選手が攻防のリバウンドに対する高い意識で藤枝明誠にプレッシャーをかけつつ、＃7佐藤選手が内外から次々とシュートを決め序盤で17‐7とリードします。

しかし、藤枝明誠も持ち前の粘り強さをそこから発揮。チームの大黒柱である＃99ボヌ ロードプリンス チノンソ選手（２年／205cm）がケガで不在なのに加えて、初日の北陸（福井県）戦の終盤に足を痛め、第2戦の福岡大学附属大濠（福岡県）戦では出場時間を抑えていたエースの＃12赤間賢人選手（３年／186cm）がこの試合ではスタメンを外れベンチに控えた藤枝明誠ですが、各選手が地道に得点を重ねて第1クォーターは16‐18と詰め寄り、前半終了時点では40‐36と逆転に成功。大きな得点源である2人を欠きながら、実に10人の選手がコツコツと得点を重ねました。

そうした粘りから流れをつかんだ藤枝明誠は第3クォーター序盤も試合を優勢に進め、一時はリードを14点と広げます。しかし、ここから仙台大学附属明成は、それまで相手の激しいディフェンスに遭い活躍の場面がなかった＃8ウィリアムス ショーン莉音選手（3年／199㎝）が躍動。さらに、ベンチから出場の＃5佐藤勇太選手（2年／178㎝）の奮闘もあり同点に追い付くと、その後はお互いの意地の張り合いのように流れを奪い合いながら試合は終盤へ。

そして、仙台大学附属明成は73‐72と僅か1点リードで迎えた場面で、＃6村忠俊選手（3年／180㎝）がじっくり時間をかけてゴール正面から放ったシュートが決め手となり76‐74で勝利。待望のリーグ戦初勝利を挙げました。

仙台大学附属明成の畠山俊樹コーチは、「（試合全般を通じて）自分たちの流れではなかったですが、それを勝ち切ることができたことはチームとしてプラスかなと思います」と冷静に勝利を振り返りました。そのうえで、「大事な場面でターンオーバーしたり、下を向いてしまったり、自分たちが何をしなければいけないのか迷ってしまうのは、やはりまだまだ足りないものがあるということ。試合に対する準備、そして気迫など、今日の藤枝明誠さんとの試合で気付かされたことがたくさんありました」と、今後の課題を語ります。

今回の試合ではいずれもチーム最多となる27得点、18リバウンドの数字を残し、キャプテンとして仙台大学附属明成を力強く引っ張った＃7佐藤選手は、「ここまで全敗していて、ここで1勝しなければ自分たちの成長にもならないし、この試合を大切に戦いしっかり勝とう」と大会前にチーム内で話し合ってきたと言います。

そして、大接戦の末に勝利を手繰り寄せた要因を「最後のタイムアウトで、気持ちで負けないように、逃げずにしっかり戦おうと話し合えたこと」と語りました。「今までは負けて学んできましたが、今日は勝って学ぶことがたくさんありました。その学びを次の試合につなげていきたいと思います」
次の「U18日清食品トップリーグ2023」の試合を見据えて、＃7佐藤選手の気持はしっかりと前を向いていました。

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