勝利に飢えたエース、保坂斡希「自分がみんなを鼓舞する」
富田(岐阜県)
富田(岐阜県)は「U18日清食品 東海ブロックリーグ2024」の初戦となる浜松開誠館(静岡県)との試合に85-54の快勝を収めました。
2年前、創設1年目の「U18日清食品 東海ブロックリーグ2022」に出場した時の富田のスタメンは、ポイントガードの榎並貴久選手が唯一の3年生で、残る4人は1年生。経験は足りなくても試合をこなすごとにメキメキと成長する勢いがありました。
ところがその後の富田はケガ人続出に悩まされ、全国大会への出場を逃します。昨年は岐阜県で3位となり「U18日清食品 東海ブロックリーグ2023」にも出場できませんでした。2年ぶりの出場となる今大会、コートに立つのはあの時の1年生たちです。身体は大きくなり、顔つきも引き締まりました。そして、コート上での成功に飢えています。
エースとしてチームを引っ張るのは、2年前に1年生ながらスタメンを務めていた一人、保坂斡希選手。昨年のウインターカップ予選に敗れた時点で、保坂選手はスモールフォワードからポイントガードへのコンバートを自ら村田竜一ヘッドコーチに申し入れ、点を取るだけでなくプレーメークも担うようになりました。
保坂選手はこう語ります。「ケガ人を言い訳にするつもりはなく、ただ自分たちの力が足りなかったと思っています。僕は2年生からエースを任せてもらっていたし、やっぱり自分がやらなきゃいけないという気持ちが強かったです」
ポイントガードとしてオフェンスを組み立てながらも、フォワードとしての力強いドライブでペイントエリアを攻め、点を取れるのが保坂選手の最大の強み。彼自身のドライブが強力だからこそ、相手ディフェンスは一人では止められずにヘルプを送り、それを見て空いた味方へのアシストも威力を発揮します。
「最初は練習でもターンオーバーの連発でしたが、村田先生もチームメートも僕のためにミスを許容してくれて、それでまずまずプレーできるようになってきました。でも、まだまだです。もっと攻める気持ちを出していきたいし、留学生とのコミュニケーションもお互いのやりたいことが全部分かっているわけではありません。そこは全部分かるまで突き詰めたいです」
浜松開誠館との試合では、立ち上がりのプレーはぎこちない面もあったものの、保坂選手がプレーで仲間たちを引っ張り、チームを快勝へと導きました。「この大会も久しぶりですし、最初はやっぱり緊張もあったと思います。そこで自分がみんなを鼓舞するようなプレーをして、みんなから硬さを取って思い切り良くプレーさせるきっかけを作れたので、そこはよくやれたと思います」
ただ、まだ勝利の飢えは収まっていません。「このリーグ戦では一つも負けずに優勝したいです。全勝優勝を目標にしつつ、自分たちのやっているオフェンスやディフェンスがどれだけ通用するかを確かめながら、完成度を上げていきたいです」
そう語る保坂選手は、チームだけでなく個人としても、リベンジの機会をうかがっています。「全国大会で活躍した同い年の選手がメディアに出て注目されたりするのを見ると、自分は正直悔しい気持ちがありました。同じ岐阜の美濃加茂もそうなんですが、東山の瀬川琉久選手や開志国際の平良宗龍にも負けたくないと思っているので、『自分もやれるぞ』というのを、これからコート上で見せたいです」
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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