「チーム作りを進める上でも、選手一人ひとりが経験を積むという意味でも、すごく重要なリーグ戦になります」

昨年に続いて2度目の出場となる県立海部の堀江崇夫コーチは、「U18日清食品 四国ブロックリーグ2024」を戦うメリットをそのように語ります。昨年冬のウインターカップ、今年夏のインターハイは、ともに徳島県予選決勝でライバルの県立城東（徳島県）に敗れ、全国まであと一歩のところで涙をのんでいます。それだけに、「このU18日清食品 四国ブロックリーグ2024で、チームとして『できること』をいかに増やしていけるか。それが全国を目指す上でカギになります」と堀江コーチは語ります。

3年生の多くがインターハイ予選を最後に進学準備のため引退しました。そんな中、3年生で唯一バスケを続ける道を選んだのが桑田恭吾選手です。「インターハイ予選の決勝で負けたことが悔しすぎて、その悔しさを晴らしたい」。そう熱い思いを明かしてくれた桑田選手。8月17日の開幕戦は新田（愛媛県）に70-101と敗れたものの、下級生に声を掛けながらチーム全体を鼓舞しつつ、要所要所でシュートを決めきる勝負強さを見せました。

県立海部のキャプテンの重責は、インターハイ予選後に桑田選手から2年生ガードの和田虎之介選手へと引き継がれました。その和田選手がキャプテンとして臨んだ初めての試合が新田戦です。「チームをまとめないといけないという緊張感もあり、不甲斐ないプレーが多くなってしまいました」と唇を噛んだ和田選手ですが、それでも誰よりも声を出しながらがむしゃらにプレーし、チームを盛り立てていました。

普段の練習から桑田選手は和田選手に対して、「キャプテンがチームを引っ張っていかないといけない。一番声を出して、一番頑張ってほしい」と声を掛けています。一方の和田選手は、「桑田選手がいるから県立海部のバスケットボールが成り立っています。存在感がずば抜けていて、常に周りを見て気を配ってくれます。いろいろな場面で助けてくれて、本当に尊敬しています」と、桑田選手の存在の大きさを強調します。

間違いなく、チームの軸となっている桑田選手と和田選手。堀江コーチは2人への期待を次のように語ります。「桑田は桑田にしかできないプレーがあり、チームを引っ張る仕事も、彼にしかできないことがあるので期待しています。和田は2年生の中では経験のある選手。リーダーシップを持っていますし、彼なりのやり方でチームをまとめていってほしいと思います」

新田に敗れた翌日には尽誠学園（香川県）と対戦し、50-67で敗れました。それでも前半を34-27でリードするなど、全国常連の強豪を相手に堂々と渡り合いました。今後もまだまだ試合は続いていきますが、「まずは基礎の部分を強豪チーム相手でもしっかり出せるように、チーム全体で取り組んでいきたい」と桑田選手が語れば、和田選手は「県立海部の良さは全員攻撃。選手が次々とカッティングを仕掛けていくような、積極的なオフェンスを見せていきたい」と抱負を語ります。

桑田選手の「悔しさを晴らしたい」という思いは、チーム全員の願いでもあります。そのために、チームとして『できること』を増やしていく──。一つひとつを乗り越えた先に、大きな喜びがあると信じて、県立海部の選手たちは走り続けます。

｢U18日清食品ブロックリーグ2024｣ 会場での観戦情報