渡部力輝「強い気持ちを持てるようになりたい」
柳ヶ浦(大分県)
8月31日、柳ヶ浦は「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」初戦となる県立佐賀東(佐賀県)との試合に83-56の快勝を収めました。新しいメンバーを試すことでインターハイとは異なる選手起用をしながらも、第3クォーター終了時点で67-34と大差を付ける完勝でした。
3年生の留学生プレーヤー、ボディアン ブーバカーブノワ選手はコンディション不良で試合に出場できませんでしたが、マネージャーとしてベンチ入り。チームの大黒柱である彼が練習で使うボールやラダーを手早く準備しては片付けつつ、ベンチで誰よりも大きな声を出してチームメートを応援しました。
「遠征に連れてこないことも考えたのですが、本人が自分から『行ってチームメイトを助けたい』と言ってくれたのでマネージャーをやってもらいました」と中村誠ヘッドコーチは説明します。「ブノワは練習も一生懸命ですし、それでやりすぎてケガをしてしまうこともあるぐらい。日本人かどうかに関係なく向上心が一番あるのでキャプテンに任命しました。性格的にもものすごく良い選手です」
ブノワ選手のサポートがあることで最も助けられるのは1年生の留学生、ファデラ ママドゥです。ブノワほどのフィジカルの強さはなくても俊敏さのある彼は、巧みなステップでゴール下での得点を重ね、リバウンドでも大活躍。ミスがあってもすぐさまブノワ選手から「大丈夫!」の声が飛び、下を向くことなくプレーし続けました。
もう一人、ブノワ選手が盛んに「強く! 強く!」と声を掛けていたのが、この試合で先発に抜擢された渡部力輝選手です。中村ヘッドコーチは全国で戦うためにはチームのサイズアップが必要だと感じており、191cmの渡部選手を先発スモールフォワードに起用することで、リバウンド力を向上させようとしています。
中村ヘッドコーチが渡部選手に求めるのは、高さと身体能力を生かした強気でダイナミックなプレーです。「ボースハンドでダンクにも行ける身体能力があって、『君がゴールの上でプレーしたら誰も届かないよ』といつも言っています。練習試合では何度もできているので、このレベルの試合で一発成功すれば自信になると期待しています」
その渡部選手は「とんでもないです。試合にもあまり絡めていないですし」と自己評価は低め。それでも先発に抜擢されたことには発奮しており、「気合いが入りすぎても空回りしてしまうことが多いので平常心を心掛けながらも、でも今日はスタートだし、ダンクを1本は決めてやろうと思ってコートに立ちました」と語ります。
しかし、強引にアタックを仕掛ければダンクに行けそうなところでパスを選択するシーンがあるなど、なかなか吹っ切ったプレーができません。中村ヘッドコーチは「普段は6番手、7番手なので、スタートの選手に遠慮する部分はあると思います」と言います。「渡部に限りませんが、でもそれは違うんだよ、対等だよとこの大会で選手たちに分かってもらいたい。君がプレータイムを得ることでチーム力が上がると言いたいです」
その渡部選手は試合終盤、思い切ってリングにアタックし、ボールをつかんで高くジャンプします。ダンクが決まったかに見えましたが、試合後の本人が振り返るには「最後に少し届かなかったので『ダンクもどき』ですね。あれでダンクを1本決めたとは言えないです」とのこと。
ただ、自分への期待は理解しています。「ベンチから『強く行け!』と声が飛ぶのはありがたいです。勇気をもらえますし、それで実際に強く行けることもあります。全部の得点を自分で取ってやるぐらい、強い気持ちを持てるようになりたいです」
B.LEAGUEのアルバルク東京でプレーする小酒部泰暉選手にあこがれているという渡部選手。「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」で小酒部選手のような強気でダイナミックなプレーを披露し、確固たる自信をつかもうとしています。
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
この記事をシェアする