小室陽奈と坂下茉愛「自分たちがチームの底上げに」
日本航空北海道(北海道)
初開催となった「U18日清食品 北海道ブロックリーグ2024」を戦うにあたり、日本航空北海道の矢倉直親ヘッドコーチは「自分たちがやりたいフルコートディフェンスをより良くしていくために、多くの選手にチャンスを与えたい」との狙いを語りました。その言葉通り、日本航空北海道は多くのメンバーを起用しながらも、すべての試合を勝ち切る強さを見せつけました。
チーム内競争の激化によって良い緊張感が生まれ、ベンチから出場する選手たちもそれぞれが思い切りの良いプレーを見せていました。矢倉ヘッドコーチは「経験のないチームなので、すべての試合でどうしても7人ほどの主力選手を固定して戦わざる得ませんでした」と語ります。それは今年のインターハイで、勝負どころでチームコンセプトであるフルコートディフェンスの強度が落ちてしまっての敗因に繋がっていました。
だからこそ、3試合すべてで多くのメンバーを起用し、チームの底上げを図りました。初戦となった帯広大谷(北海道)戦では、「練習で良い動きをしていた」という選手を中心に2つに分けたチームを交互に起用して前半を戦い、後半は様々な選手の組み合わせを試しながら96-56で勝利しました。
その中で輝きを見せたのが、シュート力に長けた2年生の小室陽奈選手と1年生の坂下茉愛選手です。要所で素晴らしい3ポイントシュートを沈めた小室選手は「インターハイでは1年生の加入もあってメンバーから外れました。今回はプレータイムをもらうことができ、自分の得意な3ポイントシュートをたくさん狙えたので、これからはもっと確率を上げてチームに貢献できる選手になりたい」と笑顔で語ります。
小室選手はベンチでの立ち居振る舞いも印象的で、ベンチに戻ってコーチと笑顔で会話する姿、タイムアウトでは戻って来た選手たちに真っ先に氷嚢を差し出すなど、最上級生としてチームに必要な役割を全うする姿に意志の強さを感じました。
坂下選手はインターハイでベンチ入りを果たしたもののプレータイムを得られず、その悔しさを晴らすべく「U18日清食品 北海道ブロックリーグ2024」に臨んでいます。東京都の志茂田中から日本航空北海道へ。その理由は去年のインターハイで、創部2か月でベスト16に進出した日本航空北海道のバスケに魅力を感じたことです。「チャレンジしているチームだと感じて、私もチャレンジすることが好きなので、この高校でもっとチャレンジしたいと思いました」と坂下選手は話します。
小室選手も坂下選手も、チームを2つに分けたことで本来とは違うポジションでプレーする時間帯もありましたが、それも「自分の成長のためには必要な機会」ととらえ、積極的にプレーする姿が光りました。
また2人とも矢倉ヘッドコーチが目指すバスケットボールをしっかりと理解しており、小室選手は「今は主力としてコートで戦える選手が7人ぐらいだと言われています。常日頃から8人目、9人目、10人目が出てきてほしいと言われているので、そこに入れるように頑張ります」と語ってくれました。
創部初年度から全国大会出場を果たした日本航空北海道。ここから全国でも結果を残すために必要とされるのは新戦力の台頭であり、そのためには「U18日清食品 北海道ブロックリーグ2024」の試合を重ねる中で彼女たちが試行錯誤の中で経験を積み、成長することがカギとなります。
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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