水戸部佑宇「今までの自分たちを超える気持ちで」
東海大学付属札幌(北海道)
須田侑太郎選手(シーホース三河)や佐藤卓磨選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)など多数のプロ選手を輩出している東海大学付属札幌は、ハードなディフェンスとスピーディな展開を是とする、北海道を代表する名門チームです。金井政博ヘッドコーチは、初の開催となった「U18日清食品 北海道ブロックリーグ2024」での狙いについて次のように話しました。
「上位チームが集まり、競った試合を繰り返し行うこの大会は、普段なかなか出場機会を得られない選手たちに経験を積ませられる貴重な大会です。どのタイミングで、どのメンバーを出したらどのような戦力になるかを試す機会として活用しました」
その大会で金井ヘッドコーチが「今、一番成長している」と太鼓判を押したのが、2年生の水戸部佑宇選手です。水戸部選手は185cm84kgの体格を生かし、キャプテンの仁義颯良選手とともにバスケット周辺で攻守ともに奮戦しました。
「つい最近まで細かったのに一気にパワーがついてきましたし、練習中も声を出して、いつもひたむきに頑張っています。ドライブを仕掛けられるようになったのもつい最近です」。金井ヘッドコーチはそのように水戸部選手を評し、6月のインターハイ予選のリベンジを果たした旭川龍谷(北海道)戦も、彼の攻守に渡る成長が大きかったと称えました。
リベンジマッチに挑んだ心境を、水戸部選手は次のように振り返ります。「自分たちは昨日、レバンガ北海道 U18(北海道)に大差で負けてしまいました。だから今日はそれを取り返そうと思っていました。インターハイ予選で負けた旭川龍谷を相手に今までの自分たちを超える気持ちでやってました。前半で仁義さんが3つ目のファウルをしてしまった時、ここで落ち込んだらまた負けてしまうと思ったので、『絶対勝つ』という気持ちで声を出し、流れをつかもうと考えてプレーしました」
旭川龍谷戦に限らず、水戸部選手はこの大会を通して、コートにいる仲間たちと密にコミュニケーションを取る姿が光りました。スクリーンをかける前には必ず、それを使う選手の進行方向をハンドサインで明確に示し、スペーシングを伝える際は大きな声を出し、流れが悪くなりそうな時は笑顔で声をかけました。その堂々としたたたずまいは下級生とは思えないものでしたが、話を聞いてみると、コート上で声を出すようになったのは高校からだそう。「中学生の頃は全然声を出せなかったのですが、東海に入ってフットワークメニューから全員で盛り上がって声を出すという伝統を知って、常に声を出すことを意識するようになりました」
笑顔でプレーする理由については「フラストレーションで良い雰囲気を崩してしまうのはもったいないので、『いいよ、大丈夫だよ』ということを伝えるためにあえて笑顔を見せているところもあります」と説明します。
初戦のレバンガ北海道 U18との試合では、1回のオフェンスで2度も3度もスクリーンをかけ、相手ディフェンスの動きを何度もブロックする役割を担当。身体的にはかなりきついプレーの連続でしたが、「自分よりもシューターやガードの方がきついです。彼らに少しでもスペースを作ったり、フリーの状況を作るのがセンターの役割なので、それを助けようという思いしかありませんでした」ときっぱり語りました。
プレーでもその他の部分でも素晴らしい活躍を見せた水戸部選手ですが、目指すものはまだまだ高い場所にあります。「今はまだチームの中心選手ではありませんし、自分より身長の小さい仁義さんのほうがたくさんリバウンドを取っています。もっとゴール下で強さを発揮できるようになって、もっともっと声を出して、チームの中心選手になれるように頑張っていきたいです」
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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