片岡裕基「未来の自分を後悔させたくない」
岡山商科大学附属(岡山県)
9月14日、岡山商科大学附属は「U18日清食品 中国ブロックリーグ2024」の初戦となる県立広島皆実(広島県)戦で68-65と接戦を勝ちきりました。立ち上がりに2桁のリードを奪うも、その後は県立広島皆実の猛追を浴びて何度も1ポゼッション差まで点差を詰められながら踏ん張り、リードを守り続けての勝利となりました。
後半は相手にペースを握られる中で奮闘したのが、メンバーで唯一の3年生である片岡裕基選手です。2点差や1点差に詰め寄られるたびに強引なドライブからバスケット・カウントをもぎ取ったり、ブロックショットを成功させたり、身体を張ってディフェンスリバウンドを奪ったりと、攻守に素晴らしい活躍を見せました。3点リードで迎えた最後も、県立広島皆実が決まれば同点の3ポイントシュートを狙っているのを読んで、勝利を決定付けるクラッチスティールに成功しています。
殊勲のパフォーマンスを見せた片岡選手ですが、試合後は課題へと目を向けていました。「僕たちはディフェンス中心のチームで、ディフェンスからの速攻が出ている時は良いのですが、そうじゃない時間帯をどう減らしていくか。経験不足もあって簡単に点差を詰められて、チームとしてやるべきことをやり続けられなくて、あまり良い試合ではありませんでした」
片岡選手は試合に出ている唯一の3年生で、その負荷はかなりのもの。同期の仲間は一人はケガで長期欠場中で、もう一人はインターハイ後に就職準備に入りました。「去年は僕だけが2年生で一人試合に出ていて、3年生に助けられてばかりでした。今年は僕が3年生になり、他の選手に試合経験が少ない分、自分のプレーでチームを鼓舞しなきゃいけないと思っています」と、片岡選手は強い気持ちで試合に臨んでいます。
高校バスケの集大成とも言える時期にチームを一人で引っ張る状況にも、前向きに取り組んでいます。「きついと感じた時期も正直ありましたが、でも今だけを見るんじゃなくて、大学に行った時であったり未来のことを考えれば、練習でふてくされたり、試合で不真面目にやったらあとで絶対に後悔します。未来の自分を後悔させたくないと思いました」
試合でこそ3年生は一人ですが、自分だけが大変な思いをしているとは認識していません。「キャプテンの栗林哲大はケガで試合に出られませんが、練習では下級生を見てしっかりまとめてくれています。下級生も自覚を持ってやってくれていますし、自分が一人でやっているわけではありません」
試合経験の少ない下級生にとっては、この「U18日清食品 中国ブロックリーグ2024」が貴重な経験の場になります。岡山商科大学附属にとって初の留学生プレーヤー、オシュラナ イライジャ選手にとっては特にそうです。まだ1年生の彼は納谷幸二コーチによれば「まだまだ細かいところまで全然教えられていません」というのが現状で、ゴール下のノーマークのチャンスを決め、リバウンドを取ってくれれば良いという考え方。過度な要求はせず、自分にできる仕事を全うして経験と自信を積むのが今です。
片岡選手にとっても留学生の後輩を持つのは初めてのこと。チームに馴染むまでのサポートは大変かと思いきや「留学生が来ることが決まった時に納谷コーチから『今までのバスケを崩さず、留学生に頼らないバスケをする』と言われて、不安はありませんでした。それにイライジャは最初から僕らと距離を置くこともなくチームのみんなと仲良くやっています。日本語でのコミュニケーションも少しずつ上達していますし、明るくてすごく良い子なんです」と、何の問題もなくチームにフィットしつつあるそうです。
自分たちのスタイルを崩さず、焦らず一歩ずつ。岡山商科大学附属は「U18日清食品 中国ブロックリーグ2024」の試合を重ねる中で成長していきます。片岡選手は初戦を振り返り、「内容的にはあまり良くなかったですが、最後に勝ちきれたのでみんな自信になったと思います。それが良かったです」と笑顔で語りました。
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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