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U18日清食品リーグ

大越菜央「小さいからこそ考えるバスケを」
札幌東商業(北海道)

レポート
U18日清食品 北海道ブロックリーグ2024

オフェンスからディフェンスに切り替える瞬間、「ディフェンス! ここ一本、止めよう!」と大きな声が響き渡りました。声を発したのは札幌東商業の大越菜央選手。センターとしては決して大きくない171cmでも、その存在感は十二分に発揮されていました。

「U18日清食品 北海道ブロックリーグ2024」の初戦となった酪農学園大学附属とわの森三愛(北海道)との試合は、序盤でリードを奪われる展開となりましたが、リバウンドを頑張る大越選手のファイトにアウトサイド陣が応えることで札幌東商業が主導権を奪い、最後は相手の追い上げを振り切って73-70で勝利しました。

3年生が4人しかいない札幌東商業では、2年生も主力として活躍しています。攻撃の中心はアウトサイドのアタックと3ポイントシュートがメイン。そんなアウトサイドの選手たちを気持ち良くプレーさせるために、大越選手がスクリーンを掛けたり、スペースを作り出したりと奮闘していました。そういった動きの一つひとつは目立たないながらも、チームの潤滑油としてなくてはならないもの。さらに時にはボールをエントリーしてゲームを作ったり、スピードあるアタックで相手のビッグマンを振り切るプレーなど、器用さも光りました。

U18日清食品 ブロックリーグ レポート画像

日本航空北海道(北海道)との試合では180cmクラスの大きな選手2人とゴール下で争い続けました。ポストアップで起点を作らせないよう身体をぶつけて相手の前に入り、シュートが放たれればどんな形であれボックスアウトをする。リバウンドでは何度もボールに飛びつき、仲間がボールを取れるように少しでも触ろうとする大越選手には、ベンチやスタンドから応援の声が送られ続けました。

「インターハイ予選で日本航空北海道と戦った時は、自分がファウルアウトしてチームに迷惑をかけてしまいました。この試合はファウルアウトしないことを意識して頑張りました」との言葉通り、第4クォーターで個人ファウルが4つになった後も粘り強く戦い、札幌東商業のゴールを守り続けました。

永野達矢ヘッドコーチは彼女の成長ぶりをこう称えます。「ウチは公立高校なので、毎年大きな選手が入学するわけではありません。大越はウチでは大きいですが、北海道内や全国になれば小さい選手です。彼女には申し訳ない部分もありますが、インサイドを担ってもらう中で精神的にすごく成長しています。サイズがなければ、それだけ考えてバスケットをしなくてはいけません。それで自主性だったり責任感が芽生えてきて、自分から様々なことに取り組むようになりました」

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日本航空北海道には63-85で敗れましたが、全国で1勝を挙げたチームに前半は35-41と食らい付いています。試合後、大越選手は「もっと自分にできたことがあったと思います」と悔しさを口にしたと同時に、「インターハイ予選ではギリギリで札幌山の手(北海道)に勝てましたが、同じような展開にはならないと思うからこそ、もっと成長してみんなと全国に行きたいです」と力強く語ってくれました。

永野ヘッドコーチも「3年生は少ない人数で本当に頑張ってくれています。身体が小さくても一生懸命頑張れば大越のような選手になれる。元気と勇気を与えられるチームになることが私たちのモットーで、それを示しながらチームを一生懸命牽引してくれる3年生の姿は、後輩たちにも届いていると思います」と笑顔を見せてくれました。

「小さなチームだからこそ、チームで戦わないといけない」。永野ヘッドコーチの言葉を体現する大越選手のパフォーマンスは、観客に元気と勇気を与える札幌東商業の魅力そのものでした。

「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報

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