古川心大と齊藤煌空「試合に懸ける気持ち」の強さを感じる機会に
白樺学園(北海道)
白樺学園は部員数が多く、ベンチ外のメンバーがスタンドから大きな声を出し、その応援に後押しされてチームが勢いに乗っていきます。「U18日清食品 北海道ブロックリーグ2024」は試合ごとにエントリーメンバーを変更できるため、宮下真和ヘッドコーチは全員をコートに立たせることを決めていました。
「チーム内の争いは団子状態なので、試合ごとにエントリー選手を変えられることはすごくありがたいです。普段の公式戦では全員にチャンスを与えることができません。だからこそ今大会は全員をコートに送り出して、公式戦で自分の能力を発揮できるかどうかを試してほしい。高校生はふとしたきっかけで成長しますからね」と話します。
実際にその起用方法が白樺学園にとって良い流れを生みました。東海大学附属札幌(北海道)との試合、32-59と大量ビハインドを背負って迎えた第3クォーターに20-9のビッグクォーターを作ったのです。この試合に出場していたのは、普段は応援席からチームを盛り上げているメンバー。「すごく良いバスケをしてくれました。次に出る主力の選手たちの刺激になってくれたらうれしいです」と宮下ヘッドコーチは好循環が生まれることに期待します。
続くレバンガ北海道 U18(B.LEAGUE U18)との試合では、古川心大選手と齊藤煌空選手の2名がエントリーされました。白樺学園はインターハイ予選で相手を50点から60点に抑えるディフェンスを強みとする一方で、得点力が物足りなかったと宮下ヘッドコーチは言います。そして「ポテンシャルの高い2人なので、インターハイの時から得点を取るのは君たちだよと伝えてきました」と2人に期待を託します。
古川選手は視野も広く、スペースを見ながら周りを生かすプレーにも長けています。それに合わせてシュートを決めるのが齋藤選手です。序盤こそレバンガ北海道 U18の激しいディフェンスに苦戦しましたが、後半に2人を中心にオフェンスが活性化し、白樺学園のリズムが生まれます。
「心大がドライブをしてディフェンスを引き付けてくれるので、自分はアウトサイドのシュートをしっかりと決めることが大事です」と齋藤選手は言います。一方の古川選手は「自分がドライブで中に切り込んでいくことでディフェンスを引きつけることができるので、外で待っている齋藤にキックアウトするという意識を持っていました」と、2人の呼吸はぴったり合っています。
齋藤選手は「この大会は応援席から応援することもありましたが、普段は試合に出ていないメンバーの方がガツガツとプレーしていました。僕も彼らに負けないように思い切ってプレーしなければいけないと感じました」と語ります。
古川選手は「僕はすべての試合に出場させてもらったのですが、一緒に出ていた選手の中には僕より試合に懸ける気持ちが強い選手がいると感じました。レバンガ北海道 U18との試合では、責任を持ってシュートを決め切ることができたので、これからもこの気持ちを忘れずに頑張りたいです」と大会を振り返ります。
宮下ヘッドコーチが大会前に語った「高校生はふとしたきっかけで成長します」との言葉通り、全員がコートに立つことであらためて感じ取ることのできた仲間たちの試合に懸ける強い気持ち。それは間違いなく2人を成長させるきっかけになりました。
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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