瀬利心花「自信を持って走り続けたい」
県立いなべ総合学園(三重県)
県立いなべ総合学園は「U18日清食品 東海ブロックリーグ2024」開幕から3連敗を喫しました。初戦の安城学園(愛知県)戦では終盤に猛追を見せるもわずかに届かず67-73での惜敗。続いて星城(愛知県)には完敗を喫しましたが、浜松開誠館(静岡県)には59-69で敗れたものの終盤まで競る善戦を見せています。
3連敗でもチームは下を向いていませんでした。中島英之ヘッドコーチは「相手が強いチームなのは分かっていたので、チャレンジャーのつもりでこの機会を生かそうと。練習していたことをどれだけ出せるかをテーマに取り組んでいました」と語ります。
ミスからは学び、良かったことを忘れずに次に繋げる。これが県立いなべ総合学園の目指す姿勢です。中島ヘッドコーチは言います。「良いシュートが打てずに得点が伸びないことで、ディフェンスをやらなくなってしまう。立て直すのはまずディフェンスからです。ショウディフェンスがちゃんとできるだけで流れが良くなる、そんな場面が何度もありました。タイムアウトを取って指示を出されてではなく、練習でやってきたことをしっかり出せば流れを変えられました。それも学びなので、少しずつやり続けてほしいです」
星城には30点差の完敗を喫しましたが、その試合後もキャプテンの瀬利心花選手は落ち込むことなく、自分たちの「できたこと」と「できないこと」を冷静に分析していました。「序盤から相手のリズムの良さと高さに圧倒されて、自分たちのバスケができませんでした。最初は点が全然取れなくて、相手の高さでどんどん点を取られて離されました。でも身長の差は仕方ないので早く切り替えて、シュートを決められた後にすぐ走って、相手が準備できていないうちにフロントコートにボールを運ぼうと意識していました」
前半で23点差と大きく離されましたが、後半は互角の攻防を演じました。トランジションの意識を全員で共有し、背の高い選手が揃う星城にスピードで渡り合おうという戦い方を徹底。急ぐ意識が強すぎて慌ててしまい、パスミスやドリブルでボールが手に付かずターンオーバーになる場面もありましたが、それでもチームの戦い方がブレることはありませんでした。
「走る部分には自信を持っています。ミスをしてもみんなで声を掛け合ったりハイタッチすることを意識しています。私たちは身長が小さい分、走らないと勝てないので、そこはしんどくてもずっと走るように、ミスがあっても走り続けます」
走り続ければ疲労が溜まるし、負けていれば気持ちも落ち込むもの。それでも県立いなべ総合学園の選手たちは一つひとつのプレーに全力で取り組み、縦へ縦へと走るバスケを貫きます。
瀬利選手は司令塔としてその姿勢を前面に押し出し、同時にキャプテンとしてチームメートを引っ張っています。「言葉よりもプレーで、というのは意識しています。ガードの私が攻める気をなくしてしまえばチームも勢いが出ないので。まずは自分が強い気持ちをプレーで見せて、そこにみんなが乗っかってくれればと思っています」
そのスタイルを貫けば結果は出ると、彼女たちは信じています。その通り、開幕3連敗から4週間後、9月7日と8日には県立岐阜農林(岐阜県)、沼津市立沼津(静岡県)に連勝を飾りました。勝っても負けても自分たちのスタイルを貫き、県立いなべ総合学園は前に進んでいきます。
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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