坂元遥香と山口姫加「全力プレーでチームを引っ張る!」
松徳学院(島根県)
「U18日清食品 中国ブロックリーグ2024」に2年連続で出場している松徳学院は、今夏のインターハイを区切りとして3年生の多くが引退し、新チームが立ち上がったばかりです。目次寿明ヘッドコーチは、「試合経験の少ない2年生、1年生にとっては特に良い経験になります。他県の強豪チームに思いきりぶつかり、打ちのめされるかもしれませんが、それによって高い意識を持つきっかけになってくれれば」と期待を語ります。
倉敷翠松(岡山県)との初戦では経験の少ない選手が多くコートに立ちましたが、前半だけで30点以上の差をつけられ、反撃のきっかけをつかめないまま31-92と大敗しました。続く第2戦は、比治山女子(広島県)と対戦。1年生の遠藤愛実理選手や小村裕希選手がスターターとしてコートに立つ中で、バスケを続ける道を選んだ3年生の2人、キャプテンの坂元遥香選手、山口姫加選手がチームを力強く牽引します。下級生に指示を飛ばしながら粘り強いディフェンスを機能させつつ、リバウンドにも果敢に食らい付いて、前半は36-38と熱戦を演じます。
特にポイントガードの坂元選手、得点源の山口選手のホットラインは強力で、山口選手は相手ディフェンスを引きつけた上でパスを出し、下級生の選手にイージーバスケットの得点をアシストするなど、会場を沸かせるプレーを連発していました。
しかし、後半はチーム全体として運動量が落ち、シュートがリングに嫌われる場面が増えて、終盤の粘りも及ばず57-65と惜敗しました。山口選手は「前半はシュートを効率良く決めることができましたが、後半はチーム全体が相手のプレッシャーを受けてしまい、自分もシュートを決めきることができませんでした」と悔しさをにじませます。
目次ヘッドコーチは、唯一の3年生である坂元選手、山口選手に対し「好きにやっていい」と自由を与えると同時に、「その代わり、最後まで責任のあるプレーをすること」と指示しています。2人はその責任を果たすためにも、互いに強い信頼関係で結ばれています。
「坂元キャプテンがいなければ、自分はここまでプレーをできていません。すごく大きな支えになっています」と山口選手が言えば、坂元選手もこう語ります。「山口選手のことを本当に信頼しています。得点の面でも精神面でも、私が安定したプレーができるのは、山口選手のおかげです」
2人は自分たちの良さを試合で最大限に発揮すること、そして下級生に自信を持たせてチーム力を上げることを強く意識しています。比治山女子との試合でもプレーが切れたタイミングのたびに、こまめにチームメートに声を掛ける姿が見られました。
山口選手は「できていないことに対して怒るのではなく、何ができていないのかを細かく伝えるようにしています」と話し、坂元選手も「自分たちが経験してきたことをしっかり伝えながら、プレー面も生活面も行動を示すことで引っ張っていきたい」と固い決意を示しました。
目次ヘッドコーチはまだ経験の浅い下級生に対して、戦術面やテクニック面よりも、強い気持ちを持って全力でぶつかっていくことを求めています。強豪チームを相手にまずは全力を出し切り、その中で足りないものを自覚してほしい。その思いは、坂元選手も同じ。「まずは自分が試合で全力を出して下級生に示すことが大事だと思っています。何かを感じ取ってくれたらうれしいです」。残り少ない高校バスケ生活。坂元選手と山口選手はこの「U18日清食品 中国ブロックリーグ2024」で全力プレーを貫き通すことによって、下級生へ『大事なもの』を継承しようとしています。
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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