大柴沙和と藤井花「コートを広く使ったバスケをもっと意識して」
日本航空(山梨県)
日本航空の大柴沙和選手と藤井花選手は、ともに1年生の頃からスタメンとしてコートに立ち、蒲生壮扶ヘッドコーチが「2人がカチッと噛み合った時の強さがウチの強さ」と太鼓判を押す3年生コンビです。6月の関東ブロック大会でチームの初優勝に貢献した2人は、10月8日に行われた「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」の矢板中央(栃木県)戦でもその力をしっかりと発揮しました。
大柴選手は、3年間一緒にプレーしてきた藤井選手をこう紹介します。「花はシュート確率がチームで一番良くて、時間がない時もボールを出せば必ず決めてくれます。基礎がしっかりしているからディフェンスも良いし、私が熱くなってしまった時には冷静に声を掛けてくれます。自分とは違う視点を持っているので、新しい考え方を取り入れられます」
その藤井選手は、大柴選手について「沙和にボールが行けば大丈夫と安心できる存在です」と信頼を語ります。「独特なリズムのドリブルでディフェンスを抜いて、自分で得点することもアシストもできます。ベンチに戻った時も『次はこういうことをしよう』と自分から声を掛けてくれるし、すごく助かります」
矢板中央戦はビハインドからのスタートでした。大柴選手や藤井選手、2年生ポイントゲッターの末木わか選手や留学生センターのソエタン オニカンソラ選手など、取るべき選手が得点を挙げていたものの、ディフェンスで主導権を握ることができず、前半を33-37の4点ビハインドで折り返します。
日本航空はハーフタイムに「まずはディフェンスをしっかりやろう」と声を掛け合い、フォワード陣のプレッシャーをより強めようと意識を統一しました。第3クォーターは末木選手の力みのない3ポイントシュートを皮切りに、大柴選手の1対1、藤井選手の3ポイントシュートによる7連続得点で一気に逆転。ディフェンスの意識を強めたことで失点をわずか2に抑え、第4クォーターもベンチから出た選手たちが良い流れを繋いで、77-54で勝利しました。
「前半はディフェンスもオフェンスも機能しませんでしたが、後半はシュートも入ったし、ディンフェスでも相手のやりたいことを簡単にやらせない時間が増えました」と大柴選手はこの試合を振り返り、藤井選手もこう続けます。「私たちは出だしが課題で、この試合でも前半はディフェンスから流れをつかむ自分たちのバスケができませんでした。それでも後半にみんなのギアが上がって、ディフェンスに関するコミュニケーションが増えて、良い流れを持って来ることができました」
関東ブロック大会を制して意気揚々と挑んだインターハイは、東海大学付属福岡(福岡県)に敗れて3回戦敗退。「自分たちで流れをつかみきれない試合で、ものすごく悔しかった」と藤井選手が振り返るインターハイを終えて、自分たちのバスケを再確認して臨んだのが「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」です。
目標は優勝でしたが、開幕から前橋市立前橋(群馬県)と昌平(埼玉県)に連敗して出鼻をくじかれました。留学生プレーヤーのオニカンソラ選手が欠場したことに加え、オフェンスの生命線を握る大柴選手と藤井選手も互いに孤立し、コンビネーションを発揮できないままの連敗でした。
それでも、負けたら終わりのトーナメントとは違い、リーグ戦では敗れた後にどう立て直し、チームとして成長していくかが問われます。大柴選手は「留学生に頼っていてはいけないし、そのためにも自分たちが持ち味にしているコートを広く使ったバスケをもっと意識しようと思いました」と立ち直り、ここから3連勝しています。これで3勝2敗、日本航空の選手たちはこの大会を通して自分たちのバスケの質を高めていくつもりです。
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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