グビノグン デロック「自分たちのバスケを表現したい」
正智深谷(埼玉県)
正智深谷にとって、土浦日本大学(茨城県)は練習試合や関東ブロック大会で何度も対戦し、苦しめられてきた相手です。11月23日に開催された「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」の対戦でも試合序盤からペースを握られ、前半終了時点で27-40と大差を付けられました。
ゲームキャプテンのグビノグン デロック選手は前半をこう振り返ります。「今日の試合は受け身で入ってしまい、序盤から自分たちのバスケットが全然できませんでした。相手のリズムになった時こそディフェンスを意識しないといけないのに、それもできなくて、ズルズル行かれてしまって。最初から『自分たちのバスケはこれだ』っていうのを表現できれば、もうちょっと違ったゲームになったと思います」
グビノグン選手の言う「自分たちのバスケ」は、激しいディフェンスからのハイペースなオフェンスです。ハーフタイムに「まずはディフェンスから」、「ボックスアウトや予測など、細かいところを一つひとつ徹底していこう」と意識を統一した選手たちは、後半から見違えるようなパフォーマンスを発揮しました。
相手の次の動きを読んだディフェンスでボールを奪うと、ポイントガードの飯島康介選手、ウイングのグビノグン選手、早船哉斗選手が目も止まらぬスピードでコートを駆け上がり、イージーな得点へと繋げます。ファストブレイクで得点が取れない時は、チーム最長身の中武優羽選手がゴール下で粘り強くシュートを沈めます。第4クォーター中盤、中武選手のゴール下のシュートで逆転に成功すると、その後もバランスの良い攻めで得点を積み上げ、74-58で快勝を収めました。
成田靖ヘッドコーチは「前半はオフェンスもディフェンスもボールが孤立して、チームプレーができていませんでしたが、後半は『一つのボールをみんなで攻めよう』、『一つのボールをみんなで守ろう』という意識がプレーに現れるようになりました」と話しました。
成田ヘッドコーチの指名でゲームキャプテンを務めることになったグビノグン選手は、186cmの長身とボールハンドリングスキル、さらに高い身体能力を備えたプレーヤーです。中学生の頃からやっていたという、リバウンドを取って自らボールを運んでシュートまで持ち込む『コースト・トゥ・コースト』のプレーは、脚力を重視する正智深谷の練習でよりいっそう磨かれ、今では止めることが難しいレベルにまで仕上がってきました。
「自分で行けるなら行くし、ディフェンスが寄ってきたら他の選手にさばく。そこは強みだと思っています」と話し、同じく破壊力のあるプレーが持ち味のレブロン・ジェームズにあこがれているというグビノグン選手は、現在はアウトサイドシュートの確率アップに取り組み、自慢の突破力をさらに生かす術を身に着けようとしています。
7試合を消化して無敗の正智深谷は、最終戦で同じく無敗の日本航空(山梨県)と対戦します。日本航空がまだ試合を残している状況ではありますが、この試合に勝てば全勝での「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」初優勝が決定します。グビノグン選手は、優勝という目標は特に掲げず「自分たちのやるべきことをやっていく」ことにフォーカスして戦ってきたと振り返り、最終戦もその意識は変わらないと言います。「日本航空には強力な留学生がいますが、そういう選手を相手に自分たちのオフェンスとディフェンスがどれだけ通用するかを試したいです」
成田ヘッドコーチも同じ考えです。「日本航空は練習試合でもそれほど対戦しない相手なので、本当に良い機会をいただきました。負けても失うものは何もありませんから、いろんなことチャレンジしたいですし、その上で勝てたらいいなと思います」
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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