U18日清食品 近畿ブロックリーグ2024 女子 レポート
「すごく成長が感じられる大会」三田松聖(兵庫県)が自信を深める初優勝
「U18日清食品 近畿ブロックリーグ2024」女子では三田松聖と大阪桐蔭(大阪府)が4勝1敗で並びましたが、直接対決を制した三田松聖が優勝しました。渡部陽美キャプテンは「インターハイで出た課題を日々の練習で修正してきて、それが実戦でどれだけ通用するか確認できました」と手応えを語ります。エースでありインサイドの柱でもある渡部選手は、「兵庫県予選よりもレベルが高いチームを相手にリバウンドを取りきる、シュートを決めきる、その強度を上げていきたいと思っていました。それがしっかり出せました」と個人の成長を感じています。
チームとしても「スタートのメンバーはもちろん、セカンドメンバーも自分たちの弱さを克服し、優勝して自信も持てたので、私たちにとってはすごく成長が感じられる大会でした」と渡部選手は言います。
三田松聖の個人の持ち味を最大限に引き出すアグレッシブなスタイルは、他のチームとは一線を画しています。初谷洋志ヘッドコーチは、「他とはちょっと違うからこそ、成功体験を積めば選手たちが自信を持てます。このリーグ戦でそういう自信を高めてもらいたかったです」と語り、勝ってタイトルを手にすることでチームはさらに強くなると確信しています。
三田松聖には優勝の他にもうれしい出来事がありました。白箸空知選手の復帰です。1月に膝の大ケガをして、手術からリハビリに励んでいた白箸選手は、ウインターカップの県予選からプレーを再開しましたが、この時はまだ膝の状態を確認しながらのプレーでした。それでも「U18日清食品 近畿ブロックリーグ2024」最後の2日間では「緊張も不安も全くなく、吹っ切ってプレーできました」と笑顔を見せます。
身長175cmとサイズがあり、身体能力も高い白箸選手は、相手のセンターに身体をぶつけて激しく戦い、リバウンドにも全力で競り合って存在感を発揮。この「U18日清食品 近畿ブロックリーグ2024」が開幕した9月上旬はまだリハビリ中でしたが、最後の2日間はケガの影響を感じさせない力強いパフォーマンスを見せられるようになりました。
白箸選手は満面の笑みでこう語ります。「この2試合で自分が点を取るつもりはなくて、それよりもたくさん走ってたくさんリバウンドを取って、泥臭いプレーを徹底しようと決めて取り組んでいました。結果的にそれが良いプレーに繋がったし、自分も優勝に貢献できたのがうれしいです」
大阪桐蔭は昨年の「U18日清食品 近畿ブロックリーグ2024」では全勝で優勝しましたが、今年は1敗を喫したことで2位となりました。市川藤乃ヘッドコーチは「今年の選手たちはなかなか自信を持てずに来たので、ここで勝たせて自信を付けさせてあげたかったです」と優勝を逃したことを悔やみますが、バスケに取り組む姿勢に変わりはありません。
「自分の壁は自分で乗り越えなければ、周りが何と言おうと乗り切れません。だから結果よりもその過程を大事にしようとずっと言ってきました。ゴールはまだ先ですが、コツコツやっていくしかありません。花が開くタイミングは人それぞれ違うので、そこまで逃げずに向き合ってほしいです」
奈良文化(奈良県)は多くの下級生を起用して、主力のポジション変更や新しい戦術の採用など様々なチャレンジをしながら、チームのスタイルである激しいディフェンスはブレることなく5試合を戦い抜きました。川崎弘策ヘッドコーチは「まだまだ未熟なところは多いですが、試合で戦っていく中で『こういう試合展開の時は、こうすれば勝てるんだ』を覚えてくれたら楽しみなチームになります」と、この大会で得た経験がチームのさらなる成長を引き出すことを期待しています。
U18日清食品 近畿ブロックリーグ2024 女子 順位表
1位 4勝1敗 三田松聖(兵庫県)
2位 4勝1敗 大阪桐蔭(大阪府)
3位 3勝2敗 奈良文化(奈良県)
4位 2勝3敗 和歌山信愛(和歌山県)
5位 2勝3敗 福知山成美(京都府)
6位 0勝5敗 県立草津東(滋賀県)
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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