池宮城望愛「自分の攻めの姿勢は変えずに」
県立美来工科(沖縄県)
県立美来工科は6勝2敗で「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」優勝を勝ち取りました。宇地原尚彦ヘッドコーチは「沖縄のチームは地理的な問題があって、レベルの高いチームと練習試合をすることも簡単ではありません。九州各県の強いチームと公式戦ができるのももちろん、特に留学生のいるチームと対戦できるのは本当にありがたい機会です」と、この大会で得られる経験がいかに貴重なものかを語ります。
下級生にも出場機会を与えながら、主力の3年生にもレベルの高い試合を数多く経験させていく中、宇地原ヘッドコーチは「目の前の試合に集中して戦っていたら、いつの間にか優勝が見えていました。優勝を意識し始めたのが悪かったのか、そこから負けてしまいました」と苦笑します。
11月16日に琉球ゴールデンキングス U18(B.LEAGUE U18)に初の黒星を喫し、11月30日には県立佐賀東(佐賀県)の粘り強いバスケの前に、持ち前のスピード溢れる展開を封じ込まれ、終盤に3ポイントシュート攻勢で突き放される逆転負けを喫しました。それでも大会最終日の12月1日には八女学院(福岡県)をペースの速いバスケで翻弄し、116-77の大勝を収めて優勝を決めています。
司令塔にしてエースの玉城宏逢選手は、強豪チームの激しいプレッシャーディフェンスにも屈することなく、むしろそれを突破することで数的優位を作り出しては良いシュートチャンスを作り、自分でも思い切って得点を奪いにいくアグレッシブな攻めを存分に披露しました。他にも多くの選手が大会を通じて飛躍し、自信を高めています。
2年生のビッグマン、池宮城望愛選手もその一人です。インターハイではベンチ入りするも出場機会なし。それまでも「出ても数分」という立場でしたが、「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」ではコートに立つ機会が増えました。琉球ゴールデンキングス U18との試合では、普段はスタメンを務める3年生が受験で不在だったために、池宮城選手は高校生になって初めて先発出場を経験することもできました。
県立美来工科は沖縄ではサイズのあるチームですが、最も背の高い池宮城選手でも185cm。だからこそ池宮城選手は、九州の優れたビッグマン、そして留学生プレーヤーとマッチアップして、そこから多くを学ばなければいけない立場にあります。「自分の攻めの姿勢は変えずに、なおかつ周りを見て良い判断をするように」という意識を常に持って、コートに送り出されるたびに全力でプレーしました。
相手チームのビッグマンより背が低くても、当たりの強さでは負けまいと必死に食らい付く奮闘が目立った池宮城選手。「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」で一番フィジカルが強かったのは留学生プレーヤーではなく延岡学園(宮崎県)の内田悠介選手だったそうです。「下半身が強くて押してもビクともしなくて、簡単にポジションを奪われてしまいました。全く勝てませんでしたが、あのレベルでやれなきゃいけないと分かったので、もっと鍛えます」と、それも池宮城選手にとっては良い経験です。
苦い経験だけでなく、自分のプレーが通用するシーンも多々ありました。ペイントエリアで相手のビッグマンと肉弾戦を繰り広げる場面が多い池宮城選手ですが、トランジションで攻める場面では伸びのあるドライブから、相手のブロックをかわすフィンガーロールでフィニッシュ。「試合で一回決めたプレーは『次も決められる』という自信が自分の中で沸いてきます。この大会では試合ごとにそういうプレーが増えていきました」と胸を張ります。
出場機会が増えて普段の練習にも今まで以上のモチベーションで取り組んでいるという池宮城選手は、「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」で良い刺激を受け、次のレベルを目指します。
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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