8月31日、尽誠学園(香川県)はU18日清食品ブロックリーグ2025の初戦で県立城東(徳島県)と対戦し、第1クォーターで23-12と2桁のリードを奪った後、一度も追い付かれることなく79-63の勝利を収めました。
夏のインターハイではベスト16進出を果たしましたが、そこで力尽きました。色摩拓也コーチは「小さいチームなりによく戦ったのですが、トーナメントの連戦が続く中で、大きな選手は連戦でも身長が低くなるわけではありませんが、小さな選手はどうしても跳べなくなります。小さなチームは選手層が厚くないと戦えません」と、このリーグ戦でチーム全体の底上げを図ります。
シックスマンを務める3年生の坂東航選手は、昨年のリーグ戦で大きな成長を遂げました。当時2年だった彼は、インターハイではベンチ外でしたが、「U18日清食品 四国ブロックリーグ2024」ではベンチ入りし、チャンスを与えられました。
「四国大会や県大会では15人のベンチ入りメンバーに選ばれていたのですが、インターハイでは12人のメンバーに入れなくて、スタンドから応援していました。その時に『自分もコートでプレーしたい』と強く思い、リーグ戦に向けて準備をしてきました」
こうして迎えたリーグ戦、坂東選手は強い覚悟を持ってコートに立ちました。「ミスになってもいいから練習でやってきた自分のプレーを全部出そうとしました。試合に出るだけで何もしなければ次のチャンスは来ないと考えて、ドライブにしてもディフェンスにしても自分の武器をどんどん使っていきました」
それまではコート上でも遠慮して自分のプレーが出せなかったそうですが、リーグ戦で良いプレーをするたびに自信は増し、それがさらなる積極性に繋がりました。今の坂東選手はシックスマンとしてベンチから出場しますが、色摩コーチはスタメンと変わらぬ信頼を彼に寄せています。
実際、県立城東との試合では開始2分半で彼を投入し、後半も開始わずか1分で彼をコートに送り出しています。「下手に駆け引きせず、足を動かして相手のドライブを正面で止めるのが得意」という彼は、色摩コーチから特に指示がなくても「僕が投入されるということは、ディフェンスで流れを変えたい時」と認識し、激しいディフェンスでチームに流れを呼び込みます。
エースにしてキャプテンを務める金山颯選手を盛り立て、日本一になるのが尽誠学園の目標です。そのためにも、今はチームの底上げに注力すべき時期。「U18日清食品ブロックリーグ2025」初戦でも、プレータイムを勝ち取ろうとする選手にチャンスが与えられました。坂東選手は1年前の自分を思い出し、彼らをできる限りサポートするつもりです。
「僕も去年は先輩方にサポートしてもらい、『ミスしてもいいから全部を出そう、何もしなかったら次のチャンスはない』というのも金山選手からのアドバイスでした。今度は自分が逆の立場になって、後輩だったり3年生でチャンスをもらえた選手に声を掛けて、みんながチャンスを無駄にしないように助けていきたいです」と坂東選手は語ります。
ディフェンスで流れを変えるシックスマンとして活躍しつつ、今の坂東選手は下級生主体のラインナップを引っ張るリーダー役も任されています。そして、昨年に続いてリーグ戦をこなす中での自分のレベルアップにも意識を向けています。
「他の選手をサポートするのはもちろんですが、僕自身もシックスマンとしてオフェンスもディフェンスも攻守に自分のやるべき仕事をして、もっと良い形で流れを変えられるように成長していきたいです」
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