「U18日清食品ブロックリーグ2025」のグループFが8月30日に開幕し、初出場の県立宗像(福岡県)は82-68で県立米子東(鳥取県)を下し、初戦を勝利で飾りました。
両チームが対戦するのは今回が初めてで、お互いに相手の特徴が分からない中で試合に挑み、第3クォーター残り7分の時点で42-42と一進一退の戦いが続きます。ともに3ポイントシュートがなかなか入らず波に乗れない中、県立宗像がディフェンスの強度を上げたのをきっかけに試合が動き出しました。
県立宗像は高い位置からディフェンスを仕掛け、そこからの速攻を連発してリードを奪います。コート上のプレーはもちろんですが、県立宗像の追い上げを後押しした要因に『全員の元気さ』があったのは間違いありません。コート上の5人とベンチ、ヘッドコーチはもちろん、福岡から応援に駆けつけた保護者も声を出し、まさにチーム一丸で試合を盛り上げます。
そんな宗像をオフェンス面で引っ張ったのが、3年生ポイントガードの末永匠雲選手です。相手を欺くノールックパスや一瞬でディフェンスを置き去りにするスピードを生かしたドライブで、相手を引きつけては仲間の得点をお膳立てしたり、自ら得点を挙げてチームを牽引しました。
末永選手は試合をこう振り返ります。「県立宗像は後半から追い上げることが多くて、今日も最初はずっと拮抗していたのですが、ハーフタイムで『もう一回切り替えてディフェンスから頑張ろう』とみんなで話し合って、後半からはディフェンスでしっかり前から当たる自分たちのバスケを遂行できて良かったです」
この時期になると受験勉強に専念するために引退する3年生もいますが、それでも末永選手は「U18日清食品リーグに出るために頑張ってきました」とチームを引っ張っています。「去年は福岡県の3位までしかリーグ戦には出られず、僕たちは3位決定戦で八女学院(福岡県)に負けて悔しい思いをしました。今年も地区大会では苦しいスタートでしたが、課題だったゾーンディフェンスに向き合って、この大会に出場することが決まった時はうれしかったです」
見る人を魅了するトリッキーなプレーに加えて、試合中も笑顔を絶やさずに楽しそうにバスケをする姿が印象的な末永選手。「僕はバスケを楽しもうと決めているんです。キツくても笑顔で周りを鼓舞して頑張ろうと思っているので、どんな時も笑顔は絶やさないようにやっています」
そうは言っても、試合中に笑顔でいるのは簡単ではありません。末永選手も「1年生の頃は先生から怒られたりして、悔しい思いをすることもありました」と明かします。「それでも、2年生、3年生になるにつれて、信頼してもらえるようになってきました。思いきってやらないと良いプレーはできないので、今は『思い切って楽しくプレーしよう』と常に心がけています」
9月からはチームに残っていた3年生も受験勉強に専念するため、ほとんどの選手が引退します。末永選手は「みんなで一緒にバスケをするのは明日で終わりです。最後まで声を出して楽しんで、キツくても笑顔を絶やさないように頑張りたいです」と笑顔で語りました。
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