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U18日清食品リーグ

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「勝負にこだわって、一つ一つの試合を成長につなげたい」美濃加茂#7 大城執逢

レポート
U18日清食品トップリーグ2025

日環アリーナ栃木で開催された「U18日清食品トップリーグ2025」。2日目の第2試合で対決したのは帝京長岡(新潟)と美濃加茂(岐阜)でした。互いにこの試合の開始時点ではまだ白星がない状況で、是が非でも1勝が欲しいチーム同士。

先行したのは美濃加茂で、序盤のオフェンスを引っ張ったのは#7 大城執逢選手(3年/172cm)でした。この試合の自身初得点を鮮やかな3ポイントシュートで決め切ると、立て続けに2本(合計3本)をヒットし、第1クォーターだけで9得点。さらにポイントガードとしてオフェンスのリズムを作りながら、ディフェンスでも帝京長岡のピック&ロールに対して脚力で食らい付き、簡単にズレを作らせません。

チームとしても常にリードを奪う展開で、第2クォーターにはキャプテンの#4 鈴木陸音選手(3年/172cm)が躍動。前半で合計14得点を記録した鈴木選手と大城選手の活躍に導かれたチームは、今夏の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)でベスト8の帝京長岡に対して、ハーフタイムで44-32と2桁のリードを奪います。

真価が問われる後半、第3クォーターの立ち上がりに躍動したのはまたしても大城選手でした。アウトサイドからスコアした前半とは打って変わってペイントに攻め込み、柔らかなフローターで次々に得点。残り1分8秒には再び3ポイントシュートを決めて、この試合最大の14点リード(61-47)をチームにもたらしました。

「今日は空いたら積極的にシュートを狙おうと思っていました」

その言葉どおりのすばらしい活躍です。

しかし、ラスト10分間で試練が訪れます。13点リードで迎えた第4クォーターは、帝京長岡がディフェンスのギアを一段上げて猛追。イージーレイアップやアウトサイドシュートからジワジワ得点され、逆に美濃加茂の得点はパタリと止まってしまいます。気付けば2桁あったリードは残り2分50秒で1点差に。大城選手はその状況を「正直、焦っていました」と振り返ります。というのも、今年度の美濃加茂は同様の競った試合を落としてしまうことが多く、それがチームの課題の一つとなっていたからです。

しかし、この試合の美濃加茂は土壇場で踏ん張りを見せます。その原動力こそ、大城選手だったのです。4点リードで迎えた残り1分44秒と、同2点リードの53.7秒に立て続けに3ポイントシュートをねじ込んで点差を押し戻してみせたのです。結局、美濃加茂は最後まで一度もリードされることなく78-72で会心の勝利。大城選手が記録した計24得点は鈴木選手(27得点)に次ぐチーム2位のスタッツでした。しかも、帝京長岡が後半に使った全3回のタイムアウトは、いずれも大城選手の3ポイントシュートが決まった直後に要求したもの。この事実からも、彼の得点が数字以上に大きなダメージを帝京長岡に与えたことが分かるでしょう。

「U18日清食品トップリーグ2025」は「勝負にこだわって、一つ一つの試合を成長につなげたい」という思いで戦っている大城選手。課題のクロスゲームを勝ち切ったことも含めて、「この1勝はかなり大きいと思います。1勝できたことでよりチームの雰囲気も良くなると思いますし、自分たちも全国で戦えることが分かりました」と安堵の表情を浮かべていました。

今年度は思うような結果を残せていなかったチームにとって、この成功体験はターニングポイントの一つになるかもしれません。大城選手と美濃加茂は残る5試合の一つ一つを成長につなげていくことでしょう。

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