夏のインターハイでベスト8進出を果たした昌平は、8月31日に行われた「U18日清食品ブロックリーグ2025」の開幕戦で、開志国際(新潟県)に79-46の快勝を収めました。
昌平で行われたこの試合、スピードのあるアタックから流れるような合わせが決まるたびに観客席から歓声が沸きました。その中で一際輝きを放ったのが佐々木美光選手です。得意のドライブから自分で得点を奪ったかと思えば、周りを生かすアシストと、多彩なプレーで昌平のオフェンスを牽引しました。
1年生から試合に出ていた佐々木選手ですが、「1年生の時はただ勢いよく攻めていただけでした」と振り返ります。「加藤先生(加藤祐介コーチ)からバスケの考え方をたくさん学んで、意図を持ってプレーすることができるようになりました。その中で、今は3ポイントシュートの確率を上げていきたいと思っています。それができれば、自分のドライブがより生きるので、今日の試合でもそこを意識しました」
加藤コーチは「ウチの強みはアウトサイド」と語る一方で、この試合ではインサイドの選手に期待を寄せています。「17番の戸田ひかるは、今ものすごく成長しています。もっとできると思うので、全国の強豪と戦えるリーグ戦でさらに進化してほしいですね」
佐々木選手もインサイド陣のプレーに信頼を寄せており、さらなる成長のきっかけは自分にあると感じています。「インターハイで優勝した桜花学園(愛知県)との試合は、自分がプレッシャーに煽られてしまいました。自分がしっかりコントロールできれば、アウトサイドもインサイドも合わせが上手なので、もっと上手く得点が取れます。インサイド陣のスクリーンをもっと使えるようになって、みんなが得点を取りやすい状況を作っていきたいです」と真剣な表情で答えました。
そんな中、何よりも印象的だったのは、昌平の選手たちのプレーを楽しむ姿です。ミスがあってもハドルを組んで笑顔を取り戻し、またポジションに戻っていく。佐々木選手は「基本的にみんなが元気なキャラなので、 そういう空気感があると思います」と説明します。
「たまにみんな下を向いてしまう時があるんですけど、そういう時に自分も下を向いてしまってはダメなので、笑顔で声をかけるよう意識しています。3年生になって自分からみんなに声をかけて盛り上げられるようになったと思います」
このチームの結束力について加藤コーチは「自分たちで雰囲気を作っていこうね、とは伝えています」と語ります。「もちろん技術的な部分も追及していますが、自分たちでチームづくりをしてほしいので、そこは自由にやらせています。今の3年生は本当に明るくてよくやってくれているので、そういったところが出ていると思います」
その中心にいるのが佐々木選手であり、彼女と中学から一緒にプレーする竹内幸葉選手と林愛選手です。試合後も3人で談笑する彼女たちには特別な絆があり、それは佐々木選手のドライブから何度も決める、彼女たちが「言葉にしなくても、感覚でタイミングが合う」と表現する華麗な合わせのプレーに表れています。
3人が昌平に進学した理由は、中学時代の恩師からのアドバイスがあったと言います。佐々木選手は「昌平から声をかけてもらったので、 3人で昌平に行ってチームを強くして、もっと有名になっちゃおうって進学を決めました」と、この日一番の笑顔を見せてくれました。
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