県立広島皆実(広島県)は、8月30日の開幕戦で県立松江東(島根県)を77-60で下すと、翌日の第2戦では県立米子東(鳥取県)に107-37で快勝し、開幕2連勝スタートを切りました。
県立広島皆実はインターハイでベスト8を目指していましたが、市立習志野(千葉県)に残り1秒で勝ち越し3ポイントシュートを決められて敗れました。堅守速攻のチームが相手のペースに飲み込まれて打ち合いに応じ、1回戦敗退。この悔しい経験があっただけに、リーグ戦に懸ける意気込みは並々ならぬものがあります。
横田学ヘッドコーチはこう語ります。「今大会のテーマは『アグレッシブに主導権を取りにいく』です。そのために今日は最初からフルコートでディフェンスをして、相手の自由を奪って主導権を握ることができたと思います。この暑さなのでボールが滑ったりとか、簡単なミスはお互いに出てしまいます。ただ、そこも想定してサポートしたり、相手に独走されたとしても『シュートは絶対に落ちる可能性があるから、あきらめずに戦おう』と伝えてきました」
横田コーチが言うように、県立広島皆実は前からプレッシャーをかけて相手にタフショットを打たせ、素早く攻守を切り替えて主導権を握ります。前半で2桁のリードを奪い、その後もリバウンドからのロングパスやターンオーバーからの速攻で得点を重ねました。
その良い流れを作りだしたのが、3年生の村上礼選手でした。村上選手は出だしから3ポイントシュートを決め、その後もボールプッシュや1対1など積極的なプレーでオフェンスに勢いを与えました。
村上選手は「インターハイでは外のシュートがあまり入らなかったので、シューティングを意識して練習してきました」と、このリーグ戦に向けて準備をしてきました。「今日は第1クォーターで良い感じに打てたのは良かったですが、試合を通して自分のタイミングで打ち切れたわけではなく、そこは今後も意識していきたいです。ただ、自分の武器であるプッシュやドライブは『行けるところは全部行く』ぐらいの気持ちでやって、その部分を出せたのは良かったです」
県立広島皆実は試合を通して3年生が積極的なプレーでチームを引っ張り、それぞれが役割を全うしました。3年生としての責任感を、村上選手はこう説明します。「僕や礒本真之介、平田成が2年生の頃から試合に出させてもらっていました。3人で話しているわけではありませんが、一人ひとりが『自分たちが引っ張っていく』という意識を持っていて、今日はその部分がしっかりと出せていました」
今大会では中国ブロックのチームだけでなく、九州学院(熊本県)や京都精華学園(京都府)との対戦も控えています。村上選手は「普段あまりできない遠くの強豪校と試合ができるのはチームとしても楽しみですし、自分のスキルがどれぐらい通用するのか、1対1でどれぐらい得点が取れるのか楽しみです」と話します。
それでも、対戦相手がどこであろうと目指すところはただ一つです。「今年も優勝を目指して頑張ります。そのためにチームとして堅守速攻を突き詰める、リバウンドや球際のところを取り切って相手にチャンスを与えない。相手のレベルが高かったり、サイズがあるチームであっても、自分たちの強みをしっかり出して、この大会を通してみんなで成長していきたいです」
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