• 日清食品
  • カップヌードル

U18日清食品リーグ

橋本拓海「後輩たちに伝えられることは全部伝える」県立松江東(島根県)

レポート
U18日清食品ブロックリーグ2025 グループF

県立松江東(島根県)は「U18日清食品ブロックリーグ2025」開幕戦で県立広島皆実(広島県)に60-77で敗れるも、翌日の県立宗像(福岡県)戦では94-79で初勝利を挙げました。

県立宗像戦は最初から県立松江東がリードしていたわけではありません。立ち上がりは県立宗像の思い切りの良いシュートが立て続けに決まり、相手の勢いに押されました。自分たちのバスケに持ち込めず、相手のディフェンスを前にボールも止まってしまう苦しい時間帯が続きましたが、橋本拓海選手が緩急つけたドライブや、ディフェンスを引きつける個人能力で得点することで、県立宗像に食らい付きました。

「相手がどんな特徴のチームなのか最初は分かっていませんでした。それでも前半を通して3ポイントシュートとドライブが持ち味だと分かったので、後半ではディフェンスをそこにしっかり絞ってリズムをつかむことができました」と佐藤剛ヘッドコーチが振り返ったように、後半になると県立松江東はインサイドでのディフェンスやシューターへのマークを強めることで主導権を握り、逆転勝利を収めました。

この試合でプレーはもちろん、ベンチに下がった時にも積極的に声を出してチームを引っ張っていたのが橋本選手です。橋本選手は県立宗像との対戦を終えて「前半は自分たちがやりたいことが全くできずに、逆に相手がやりたいバスケットをさせてしまいました」と言い、こう続けます。

「今回、県立宗像とは初めて対戦しました。普段から福岡第一(福岡県)や福岡大学附属大濠(福岡県)と戦っている県立宗像は、身体の当て方も中国地方のチームとは全然違って、すごく勉強になりました」

県立松江東は例年、インターハイを区切りとして3年生の約半数が受験勉強に専念するためにバスケ部を引退します。『残った側』の橋本選手はこう語ります。「毎年この時期は新チームに移行するタイミングです。このリーグ戦で勝つことも大事ですが、それと同じぐらい、個々の目標を立てて大会に挑むことを重視しています。個々の能力を上げながら、他のチームもしっかりと見て、チームを作るための土台をこの大会で築いていきたいです」

1年生の頃から主力として試合に出ている橋本選手は、自分が卒業した後のチームのこと、また島根県のレベルについても様々なことを考えています。「個人的にウインターカップまでやり遂げたい思いはありますが、それ以上にこのチームや島根県に強くなってほしい思いが強いです」と彼は言います。

「僕たちのチームも県内では強いかもしれないですが、全国レベルで見るとそうではありません。島根県の上手な選手はみんな県外の強い高校に行ってしまうので、そういう流れも変えたいと思って僕はここに来ています。チームが少しでも強くなれるように、後輩たちに伝えられることは全部伝えようと思っています」

橋本選手は新チームのキャプテンになった舩木玲選手を始めとする後輩たちと試合中も頻繁にコミュニケーションを取っています。「舩木は1年生の頃からちょっとずつ試合に出ていたので『島根県やチームを強くしていこう』という話は以前からしていました。なので、彼は僕と同じ認識があるのですが、バスケはチームスポーツなのでみんなが同じ理解を持つことが大切です。一人だけが理解しているのではなくて、みんながちょっとでも『島根県やチームを強くしたい』という意識を持てるようにと思って話しています」

橋本選手が自分の持つ技術や思いを伝えるために奮闘している理由は、彼自身も先輩からそうしてもらったからです。「去年はエースの先輩がいましたが、このリーグ戦から僕が完全にポイントガードを任されるようになって世代交代が行われました。僕たちは毎年この大会を通して新チームの土台を作っていきます」

「U18日清食品ブロックリーグ2025」 会場での観戦情報

この記事をシェアする

レポート一覧へ戻る