「U18日清食品トップリーグ2025」第3週が、9月13日にグリーンアリーナ神戸(兵庫県)で開催され、第2試合に京都精華学園(京都府)と岐阜女子(岐阜県)が顔を合わせました。強豪と知られるライバル対決であり、「U18日清食品トップリーグ」連覇中の京都精華にとっても、今夏インターハイ3位の岐阜女子にとっても、「U18日清食品トップリーグ2025」で優勝するためには負けられない一戦となりました。
京都精華学園は強みであるインサイドを中心に攻撃を展開。一方、岐阜女子はディフェンスから相手を崩し、要所で3ポイントシュートを決めるなど、それぞれの持ち味がぶつかり合う戦いとなりました。
ディフェンスからの得点で岐阜女子が波に乗ろうとしますが、そうした流れを断ち切ったのが京都精華学園の#10 吉田ひかり選手(2年/161cm)、バックアップの#5金谷悠加選手(3年/164cm)のガード陣です。ディフェンスがインサイドに意識を取られていると見るや、自らのドライブや3ポイントシュートでオフェンスにアクセントを加えていきます。前半はガード2人の働きが機能し、40-31とリードを奪いました。
第3クォーターの途中で吉田選手が足をつるアクシデントがありましたが、交代でコートに入った金谷選手がしっかりとチームをまとめ、54-43とリードをキープします。
第4クォーターに入ると、岐阜女子がオールコートのプレッシャーディフェンスから連続してスティールを奪うなど猛烈に追い上げますが、京都精華学園はインサイドの高さを生かしてゴールにつなげます。吉田選手もコートに戻り、しっかりと逃げ切り、73-64で勝利を手にしました。
試合後、山本綱義コーチは「前半はアウトサイド陣がどれだけ相手をかき回してくれるかがカギだと話しており、後半は高さが効いてくると見ていました。そうした意味でも、ガード陣はよくやってくれたと思います。金谷選手はケガでインターハイに出られず、コンディションもあってこれまでなかなか思うようにできなかったと思いますが、溜まっていたものが爆発し、声も出してチームを引っ張ってくれていました」と試合を振り返りつつ、ガード陣の健闘を評価しました。
金谷選手とともに11得点を挙げた吉田選手は「岐阜女子はディフェンスも強く、戦ってみたい相手でした。岐阜女子とのゲームは、私が積極的にシュートを狙っていくことでリバウンドも取りやすくなると思っていたので、積極的に打ちました。特に前半では、足が動かなくなってもいいという思いでハードにプレーしていたので、後半に本当に足がつってしまって……」と話します。共にコートに立つことも多かった金谷選手について聞くと、「プレーのことなど、一番相談でき、何でも教えてくれる先輩です。コートの上でも、『今のプレーはどうした方が良かったか』など、常にコミュニケーションを取っていました」と明かすほど全幅の信頼を置いており、この試合でも2人の信頼感とコミュニケーションがチームにいいリズムをもたらしたのでしょう。
そんな吉田選手について、山本コーチも「中学でもキャプテンをやってくれていましたし、高校でも徐々にチームをまとめる力が付いてきています。まだ2年生ですし、これからさらにいい選手になってくれると思います」と期待を寄せています。
吉田選手は、「今はコートの上に相談できる先輩がいますが、次は自分がそういう立場になれるように」と自身の未来像を描きます。先輩から後輩へ、チームを束ねるガードの役割が受け継がれているからこそ、京都精華学園は安定した強さを発揮できているに違いありません。
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