「U18日清食品トップリーグ2025」第3週、9月15日(月・祝)の第2試合は、昭和学院(千葉県)と精華女子(福岡県)の対戦となりました。今夏の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)で3位に入った精華女子に対し、インターハイに出場できなかった昭和学院はチャレンジャーの立場。大会2戦目での初勝利を目指して戦いました。
まずは#11山田莉心選手(1年/174cm)の3ポイントシュートで昭和学院が先制点を挙げました。その後、両チームは対照的な攻撃スタイルを見せ、昭和学院はアウトサイドシュートや飛び込みリバウンド、精華女子は#44アキンデーレ タイウォイダヤット選手(3年/189cm)のインサイドプレーを中心に得点を重ねていきます。
しかし、昭和学院は鈴木親光コーチが「ボールを入れられる前にインサイドで押し込まれないようにしたかったのですが、相手に良いポジションを取られてからの勝負になってしまいました」と振り返るように、精華女子の徹底したインサイド攻撃を止めることができません。イダヤット選手に第1クォーターだけで14得点を許し、7点差で第2クォーターへ。その後も、#16相間すみれ選手(1年/164cm)の3ポイントシュートや#8藤松柚乃選手(3年/159cm)のバスケットカウントなどで反撃を図りましたが、今度は交代で出場した精華女子#42ブバ アイシャ エジネ選手(1年/188cm)にゴール下で主導権を握られます。前半を終えて24-46と、大きくリードを許す展開となりました。
後半も精華女子はエジネ選手にボールを集め、試合を優位に進めます。一方の昭和学院は前半と同じく、最初の得点を1年生の山田選手が決めましたが、その後は相手のゾーンディフェンス攻略に苦しみ、得点が停滞。そのまま一矢報いることはできず、51-86で試合終了となりました。
終わってみれば、昭和学院は精華女子のエジネ選手(38得点)とイダヤット選手(28得点)に合計66得点を許してしまいました。ポジション取りで相手に押し込まれたことについて、鈴木コーチは「下級生も多いので、経験不足が原因の部分もあったと思います」と語ります。前週の京都精華学園戦に続き、相手のセンターをチームでどう抑えるかは、今大会で経験を積みながら克服していきたい課題でしょう。
ただ、完敗にはなったものの、光るものを見せたのが1年生の山田選手です。前半も後半も、最初の得点は山田選手が決め、オフェンスリバウンドにも果敢に飛び込みました。13得点、8リバウンド、4アシストという数字が、マルチな働きの何よりの証拠です。
秋田県出身の山田選手は、ミニバス時代は地区大会止まり、中学時代は県2位でJr.ウインターカップには出場できませんでした。ほぼ無名の選手だったため、入学前は「1年生でスタメンで試合に出られるとは全然思っていませんでした」と言います。それでも、174cmの身長で3番や4番ポジションを担えるオールラウンダーは貴重な存在。山田選手は「チーム内では背が大きい方ですし、インサイドプレーやドライブ、ジャンプシュートと幅広いプレーが求められていると思います」と自分の役割を理解しています。
そんな山田選手がこの試合で意識していた課題は、「全クォーターで自分のシュートを打ち切ること」でした。実は第2週の京都精華学園戦、第1クォーターの開始5分で7得点を挙げたものの、その後は無得点。「序盤しかシュートを決められなかったので、そこを伸ばすことが課題でした」と言います。実際、この試合ではクォーター毎にしっかり集中を入れ直し、コンスタントに役割を果たそうと心掛けました。「試合の入りで3ポイントシュートを決めたり、第3クォーターの出だしでジャンプシュートを2本決めたりできましたが、やはり疲れてくるとシュートの精度が落ちてしまいました。そこはまた新たな課題を見つけられたと思います」と振り返ります。
明確な課題を持ちながら、トライアンドエラーで初めてのU18日清食品トップリーグに挑戦している山田選手。まだ1年生ということもあり、今後の成長が大いに期待されます。鈴木コーチも「経験を積ませながら、オールラウンドに働けるように育てたいと思っています」と期待を寄せていました。
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