「U18日清食品トップリーグ2025」第3週が9月13日から3日間、兵庫県のグリーンアリーナ神戸で開催されました。3連休の最終日、9月15日の第3試合では仙台大学附属明成(宮城県)と福岡第一(福岡県)が対戦しました。
激しいディフェンスを見せる両チーム。そこから瞬く間にゴールへとつなげていく速攻を得意とする福岡第一。一方の仙台大学附属明成は速い攻撃からシームレスにチームオフェンスを繰り広げていきます。序盤は両チームともそんな得意の形を作るものの、それが得点につながらずに攻撃回数の割にロースコアな立ち上がりとなり、14-13、福岡第一の1点リードで第1クォーターを終えました。
第2クォーターに入っても、お互いに持ち味が出れば、それを防ぎながら接戦が続きます。ロースコアが続きますが、前半終盤には仙台大学附属明成#12三浦悠太郎選手(3年/188cm)のレイアップで逆転。しかし、福岡第一の#39 藤田悠暉選手(3年/193cm)がジャンプシュートを決め返して、リードを奪い返して28-27で前半を終了しました。
第3クォーターに入っても、お互いに我慢の時間が続きましたが、福岡第一はベンチから出てきたバックアップガードの#13 山口銀之丞選手(3年/168cm)が流れを変え、#34 シー ムサ選手(3年/205cm)にアシスト、ダンクで会場を沸かせます。さらに山口選手は3ポイントシュートも決めて、リードを広げますが、クォーター終了間際に仙台大学附属明成の#4 小田嶌秋斗選手(3年/165cm)が3ポイントシュートを入れ返され、50-46で最終クォーターを迎えることになりました。
第4クォーターに入ると仙台大学附属明成の#11佐藤颯太選手(3年/187 cm)が 3ポイントシュートを連続して沈めて逆転、さらにリードを奪いましたが、ここから福岡第一の反撃がスタート。激しいディフェンスからボールを奪い、リードを奪い返すとその後も堅いディフェンスを見せます。仙台大学附属明成が同点を狙い放った3ポイントシュートを藤田選手がブロックするなどして守り切り、69-66で勝利を収めました。
「我々はインターハイに出場できなかったので、この『U18日清食品トップリーグ2025』で勝利することで、選手たちにも自信を付けてもらいたいと思っていました。今日の試合はシュートが入りませんでしたが、それでも勝ち切れたことは良かったです」と福岡第一の井手口孝コーチは試合後にホッとした表情を見せました。なかなかいい流れにならない中、「ムサ選手と藤田選手がよく足を動かしてくれました」と縁の下の力持ちの役割を評価します。
藤田選手自身も「自分の仕事はリバウンド」と言い切ります。「スカウティングをして、相手のリバウンドが強いことが分かっていたので、相手にオフェンスリバウンドを取らせないこと、そして自分がリバウンドを取ってブレイクにつなげようと思って試合に入りました」と役割を話します。そして、自分のプレースタイルについて「派手なプレーではなく、地味なプレーで流れを持ってくる、チームを盛り上げることが自分の持ち味だと思っています」と口にします。これからは「ジャンプシュートの精度を上げていきたい」と話す藤田選手ですが、この試合でも前半の最後に1本決めることができた「フラッシュからのジャンプシュート」と、チームプレーの中での役割をより向上させたいとの思いが強いようです。
井手口コーチは「ウチは代々4番ポジションの選手が、地味な部分でしっかりと役割を果たしてくれるときは勝てるのです」と明かすように、藤田選手が役割を全うすることで、福岡第一が目指す「U18日清食品トップリーグ2025」優勝へ近付いていくに違いありません。
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