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U18日清食品リーグ

山本信「自分の力で未来を切り開いていく」金沢市立工業(石川県)

「U18日清食品ブロックリーグ」に初出場している金沢市立工業(石川県)は、近年は全国の舞台から遠ざかっています。ライバルの北陸学院(石川県)に阻まれている状況を打開する意味でも、越後隆光コーチは「このリーグ戦に出場するメリットは大きい」と強調します。「打倒、北陸学院を掲げている私たちにとって、このブロックリーグを戦う意義はとても大きいです。留学生を擁する強豪チームも多いですし、自分たちで対策を練って戦えるのは非常にありがたいことです」

今の3年生には185cm前後の選手が揃い、「私自身も楽しみにしながらチーム作りを進めてきました。どこまで戦えるか、思い切りチャレンジしたいです」と越後コーチも気合いが入ります。こうして迎えた9月7日の初戦、対するのは今夏のインターハイでベスト4に入った北陸(福井県)です。まさに相手にとって不足なし。金沢市立工業は北陸の試合映像を分析して、入念な対策を練った上で「U18日清食品ブロックリーグ グループC」の初戦に臨みました。

北陸のファイ ベンジャミン選手、カベンゲレ ウイブン ジョナタン選手を常にマークしつつ、リバウンドでもしっかりと応戦。しかし、トランジションの速さで劣勢を強いられ、第1クォーターは15-30と大きくリードを許してしまいます。第2クォーターでも修正しきれず、28-53で試合を折り返しました。

この試合、留学生対策のキーマンとして奮闘したのがキャプテンの山本信選手です。身長200cmのベンジャミン選手が相手でも1対1に果敢に挑み、ステップワークや巧みなハンドリングを駆使して相手のファウルを誘発。試合後に「仕掛けてからのキックアウトで、オフェンスの形を一つ作ることを意識しました。特に後半はその形を出せました」と手応えを語りました。

山本選手がオフェンスを引っ張ることで、第3クォーターは盛り返すことに成功。粘り強いディフェンスからの速攻も繰り出し、一時は15点差まで詰め寄ります。第4クォーターも岩下大翔選手、村井悠至選手を中心に思い切りの良いバスケを展開しましたが、最終的には71-89で敗れました。

越後コーチは、「立ち上がりは北陸のシュート力と切り替えの速さに面食らってしまいましたが、後半は準備してきたことを出すことができ、一定の手応えを得られました」と敗戦をポジティブに受け止めています。山本選手も「ディフェンスの際にボイスが少なくてスイッチミスがありました。それで相手に3ポイントシュートを打たれすぎたのは反省材料です。自分としてももう少し得点が取れたと思うので、今日の試合を糧にして一戦一戦を戦っていきたいです」と、次戦以降に目を向けていました。

この一戦はビハインドの展開が続きましたが、その中で山本選手がチームメートを鼓舞する姿が目立ちました。越後コーチは山本選手にキャプテンを託した理由を、「もともと素直で優しい子でしたが、より責任感を持ってもらいたいと思って指名しました」と説明します。その思惑通り、「毎日の練習から率先して行動で示してくれています」とリーダーシップを発揮しています。

山本選手自身も責任を背負うことで自分が変わったと実感しています。「キャプテンになり周りをよく見るようになって、『今、この選手は落ち込んでいる』とか、そういうことが分かるようになりました。試合の中で良くない時間帯は絶対に来るので、その時にチームを鼓舞できるよう心掛けています」

山本選手の代は全国の舞台を経験したことがありません。それだけに打倒・北陸学院は何としても達成したい目標ですが、山本選手はその先に続く道もしっかりと見据えています。「大学でもバスケを続けるので、まずは高校生活をしっかりやりきりたいです。将来的にプロになれるかは分かりませんが、もしなれなかったとしてもバスケの仕事に就きたいと思っているので、今の一日一日を大切に過ごすことが将来に繋がっていくと思っています」

地に足をつけながら今やるべきことをやる。その姿勢を貫くことで山本選手は自身の未来を切り開いていくつもりです。

「U18日清食品ブロックリーグ2025」 会場での観戦情報

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