「U18日清食品トップリーグ2025」も第4週に突入。豊田合成記念体育館ENTRIO(愛知県稲沢市)を舞台に、9月20日(土)・21日(日)の2日間にわたって男女各4試合、計8試合が開催されます。初日の第1試合では、インターハイ準優勝の八王子学園八王子(東京都)と3位の仙台大学附属明成(宮城県)が対戦。序盤から仙台大学附属明成がリードを奪うも、八王子学園八王子が粘り強く食らいつき、白熱した展開となりました。
試合の口火を切ったのは、仙台大学附属明成#4小田嶌秋斗選手(3年/165cm)の3ポイントシュート。その後も#9檜森琉壱選手(3年/187cm)や#12三浦悠太郎選手(3年/188cm)が激しいディフェンスから速攻を出して得点し、開始2分で相手にタイムアウトを取らせます。さらに#10荻田航羽選手(3年/190cm)が2本の3ポイントシュートを沈め、#11佐藤颯太選手(3年/187cm)もバスケットカウントを獲得。攻防で圧倒した仙台大学附属明成が、28-8とリードして第1クォーターを終えました。第2クォーターでは、八王子#0ニャン セハ セダト選手(2年/203cm)にリバウンドから連続得点を許す場面もありましたが、この苦しい場面でベンチメンバーが奮闘。#6新井慶太選手(3年/168cm)がドライブやジャンプシュートを決め、#16金城羽珀選手(1年/175cm)は相手エースガード#13畠山颯大選手(3年/174cm)に激しいディフェンスを仕掛けます。結局、前半を42-25で折り返しました。
第3クォーターは互角の16-16で推移し、点差は変わらず。それでも第4クォーターに入ると仙台大学附属明成の得点が伸び悩み、八王子学園八王子#6照井昇太朗選手(3年/173cm)のシュートなどで追い上げられます。みるみるその差を縮められ、残り1分11秒で2点差に。しかし、仙台大学附属明成は落ち着いていました。3年生を中心にコートで声をかけ合い、三浦選手が値千金の3ポイントシュートを成功。結局、69-62で逃げ切りました。
仙台大学附属明成は各々が自らの役目を果たして勝利を手にしましたが、シューターとしてリングを狙い続け、3本の3ポイントシュートを決めたのが荻田選手です。仙台大学附属明成の歴代シューターが背負ってきた「10番」を今年受け継ぎ、「小学生や中学生の頃から明成の10番の選手は一際輝いているように見えて、ずっと憧れていました。実際に背番号をもらえたときは本当にうれしかったです」と語ります。
一方で、その“10番”には大きなプレッシャーも伴います。今夏のインターハイでは気持ちが空回りし、特に準決勝では無念の無得点に終わりました。ただ、「何もできずに終わってしまいましたが、そこで終わったわけではなく、このU18日清食品トップリーグというすばらしい舞台に立つチャンスをいただけました。もっと成長したいと思います」と前を向きます。
そんな荻田選手に対して、畠山俊樹コーチは「シュートだけでなく、今はプラスアルファの部分も求めています」と言い、前週を終えたあとのチームミーティングでもその点を本人に伝えたそうです。荻田選手は「たとえシュートが入らなくても、リバウンドやルーズボールに飛び込んだり、ディフェンスで相手を嫌がらせたり、ヘルプに寄ったり、もっと周りに気を遣える選手になりたいです」と成長を誓います。
この八王子学園八王子戦では、リバウンドに飛び込むなど献身的なプレーも見られました。畠山コーチも「リバウンドやディフェンスなど、まだ体は追いついていないですが、気付くようにはなっていました。先週から少し意識の面が変わったのだと思います」と評価しています。
今大会、ここまで仙台大学附属明成は3勝2敗で、残すは2試合。荻田選手は「今、自分が背番号10番にふさわしい選手になれているかと言われれば、まだまだだと思います。でも少し時間はあるので、自分なりの明成の10番を作り上げて、この背番号にふさわしい選手になりたいです」と力強く語っていました。
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