豊田合成記念体育館 ENTRIO(愛知県稲沢市)で開催中の「U18日清食品トップリーグ2025」第4週、9月21日の第1試合で初勝利を目指す千葉経済大学附属(千葉県)が精華女子(福岡県)と対戦しました。
精華女子は9月20日終了時点で#42ブバ アイシャ エジネ(1年/188cm)が大会暫定1位の29.0得点、#44アキンデーレ タイウォ・イダヤット(3年/189cm)が同2位の27.7得点という強力なインサイドを擁するチーム。千葉経済大学附属・池端直樹コーチは「中の絞り込みを徹底しようと考えていましたが、甘かったこともあって、先手を打たれてしまいました」と振り返ります。その言葉どおり、インサイドで得点を許し、#8岡田沙也(3年/163cm)、#7森田栞名(3年/160cm)に距離のあるシュートを決められ、4-17というスタートになってしまいました。
ゾーンディフェンスに手こずり、得点が伸びない千葉経済大学附属でしたが、残り5分を切ってからエースの#13坂田萌選手(2年/171cm)が3連続得点。#7安川稀尋選手(3年/172cm)の3ポイントシュート、プルアップジャンパーも飛び出して20-34で第1クォーターを終えます。リズムが良くなった第2クォーターは精華女子と点の取り合いとなりました。#9吉野結衣選手(3年/173cm)がインサイドで好ディフェンスを見せると、坂田選手、安川選手が得点を重ね、このクォーターは24-25と互角の攻防を繰り広げました。
14点差で迎えた後半も、トランジションからのレイアップ、素早いパス回しからの得点など粘りを見せた千葉経済大学附属でしたが、インサイドの強みを発揮する精華女子にじりじりとリードを広げられ、80-105で敗北を喫しました。
これで4連敗となった千葉経済大学附属ですが、「チャレンジャーとしてチームの現在地を確認する試合でしたし、強豪との連戦は、チームが成長するための貴重な機会です」と池端コーチは、手応えも感じていると語ります。180cmを超える選手がいないチームですが、スピードを武器とするバスケを見せてインターハイでは見事ベスト8に入っています。そのチームをさらに強化するための一つの手として取り組んでいるのが、ビッグラインナップのチャレンジです。その意味で本日の試合で21得点の坂田選手、12得点の#4淺野愛桜選手(3年/161cm)という両エースを凌ぐ、35得点をマークした安川選手の活躍は収穫でした。
池端コーチは「謙虚さと積極性を併せ持ち、シュート能力が非常に高い選手です。周りをよく見て冷静にプレーできるクレバーさもあります。彼女の成長は、チームが目指すサイズアップ、レベルアップに直結するため期待しています」と語ります。
3ポイントシュート5本、2ポイントシュート7本を射抜いた安川選手ですが、強引なシュートはなく、流れの中で得たチャンスを確実に得点につなげていたことは印象的でした。「得点源となる選手が警戒されていたので、自分が得点を伸ばそうと意識しました」と必要と感じたプレーをした結果と本人も表現しましたが、チームの強化のためにも「自分がまずはコート内で誰よりも発声して、誰よりも走って、誰よりもシュートにいく姿勢を見せて、淺野選手や坂田選手だけではなく、自分も先頭に立てるようにしたいです」と強い思いも披露しました。
安川選手にとって、理想と語るのは1学年先輩の牧野琉依選手(山梨学院大)。「外でも中でも得点できる選手だったので、そこに追いつくように頑張っています。まだまだ足りないですが、リーダーシップも含めて、コート内で発揮できるように頑張りたいと思います」と、さらなる成長を誓ってくれました。
敗戦から得た手応え、そして安川選手が見せたリーダーとしての覚醒は、チームの未来を照らす光です。彼女の「先頭に立つ」という決意がコート上で表現された時、千葉経済大学附属はさらにレベルアップした姿を見せてくれることでしょう。
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