9月15日に行われた「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループB」の駒澤大学附属苫小牧(北海道)vs県立日川(山梨県)は、試合開始から一進一退の攻防となりました。試合終盤、駒澤大学附属苫小牧がキャプテンの宮森昊太選手とオラヨリ・マーベラス・オルワトヨシ選手を中心に勝負どころのシュートを決めて、53-51で県立日川を振り切りました。
ここ数年、北海道1位で全国大会に出場し、上位進出のチャレンジをしている駒澤大学附属苫小牧は、開始数分でスタメンを下げ、セカンドユニットで前半を戦いました。田島範人コーチは、「このリーグ戦でシックスマン以降の底上げを目指しながら、勝利を追求していこうと考えています」と、明確な意図があったことを教えてくれました。
北海道内では上位校との対戦以外に緊迫したゲームを戦えないことが、駒澤大学附属苫小牧高校にとって悩みの種です。北海道外の強豪チームと試合をするために、フェリーを使って年に数回の本州遠征を行なっています。「U18日清食品ブロックリーグ」はその課題を解消してくれると、田島コーチは続けます。
「リーグ戦は負けたとしても次の試合が戦えますし、全国の強豪ばかりです。そういった試合で、点差が離れてからベンチメンバーを出すことも一つだと思いますが、ベンチメンバーに緊張感のある試合を経験させてあげたいと考えました。今日のゲームはベンチメンバーが上手く試合を作れませんでしたが、彼らが学び得たことはたくさんありました」
その一方でスタメンの選手たちは、後半に多くの時間でプレーすることになりましたが、流れをつかめそうな場面が何度もありながらも、粘る県立日川の勢いに押され、試合は最後までシーソーゲームの展開となりました。田島コーチは県立日川の粘り強い戦いぶりを称えながら、そんなゲームでこそ力を発揮してほしいとキャプテンの宮森昊太選手の名前を挙げました。
「苦しいゲーム展開の中で、宮森には試合の流れを変えるようなインパクトを残してほしい。彼にはこのチームが自分のチームだと思ってもらいたいです」
宮森選手は重要な場面で効果的なアタックやフィニッシュを見せていましたが、「北海道にはない強度を感じた時に、僕も含めてミスが増えてしまいました。むしろ自分たちがプレーの強度を上げて、試合の主導権を握らないといけません」と試合を振り返ります。
田島コーチの「自分のチームだと思ってもらいたい」との思いは、宮森選手も理解しています。「分かってはいるのですが、決定力がまだ足りないから自分で行くのを躊躇してしまいます。シュートを打つなら外せない。勝つためには決め切らないといけない。まだ自信がなくて、あまり行けないんです」と、高校生らしい本音がこぼれました。
そんな彼に駒澤大学附属苫小牧に入学した理由を聞くと、田島コーチからのアプローチがあったことを教えてくれました。「僕は2番が好きで、中学の時から2番をつけていたんです。進路を決める時に、留学生のいるチームでやりたいと思っていたんですけど、田島コーチがマーベラスが来ることを教えてくれて、僕のために2番を空けておくと言ってくれたことが決め手になりました」
高校生は短期間で驚くような成長を遂げる時があります。宮森選手は自分がやらなくてはいけないと分かっているからこそ、その壁を超えた時に驚くような成長を見せてくれるはず。厳しくも優しい田島コーチの下で切磋琢磨を続け、「このチームは自分のチーム」だと自信を持って言えるようになるために、このリーグ戦で全国の強豪に立ち向かいます。
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