酪農学園大学附属とわの森三愛(北海道)はインターハイの北海道予選で3位になり、惜しくも全国大会へは届きませんでした。その悔しさを次に繋げるべく、今年で2年連続となる「U18日清食品ブロックリーグ2025」に挑んでいます。
「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループG」では北海道から離れた四国や九州のチームとの組み分けとなり、9月13日と14日には兵庫県神戸市、20日と21日には香川県高松市で試合を行いました。その翌週も愛媛県伊予市で試合と、長距離の遠征が続きます。
「これまで行ったことのない地方に行き、戦ったことのないチームと試合をして、複数の遠征で鍛えられることを考えると、とても貴重な経験になっています。素晴らしい機会をいただいたので、チーム全体のレベルアップを図るために多くの選手をコートに立たせる機会を作っています。普段やらないチームと勝負することで、相手がどんなことをするのか考えながら対応力を求めることを重要して戦います」と有澤奈々子コーチはこの大会を戦う目的を語ります。
9月21日に行われた明徳義塾(高知県)戦は、「多くの選手をコートに立たせたい」という有澤コーチの意図が大きく反映される試合になりました。
この試合は出足から相手のリズムとなり、前半で34-52と差を付けられます。しかし、3ポイントシュートを得意とするエース、泉莉央選手の活躍もあって、後半には走る展開から追い上げを図り、終盤にはオールコートプレスが効いて点差を1桁まで縮めます。しかし、この重要な時間帯にエースの泉選手がファウルアウトでベンチに退くことに。ここで、有澤コーチが掲げる「たくさんの選手がコートに立つ」というテーマを実践することになりました。
ゲームの終盤、酪農学園大学附属とわの森三愛はエースを欠きながら残り1分で3点差まで猛追。あと一歩のところで勝利に手が届くところまで詰め寄りました。しかし、この後に明徳義塾が勝負強さを発揮。最終スコア82-85と3点差でタイムアップとなりました。
逆転を狙うその場面にエースは不在でしたが、ペンチメンバーがコートに立ち、接戦に持ち込む経験ができました。有澤コーチも「勝つことはできませんでしたが、エース不在の中で良い勉強になりました」と、リーグ戦だからこそできる選手起用で猛追できたことに手応えを感じた一戦となりました。
クラッチタイムにコートに立つことができなかったエース泉選手は「今日は私が5ファウルをしてしまったことが敗因です。接戦ができたのはチームメートのおかげです」と反省しきり。
それでも「このブロックリーグでは、北海道にはいないタイプの留学生がいるチームと試合ができたり、全く対戦したことのないチームと試合ができるので、試合のたびに良い経験ができています。今日は負けてしまいましたが、その経験を勝利に結び付けていきたいです」と決意を新たにしました。
「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループG」の試合も残すはあと3試合。泉選手は、ここまでの手応えと今後の戦いについてこのように語ります。
「自分は2年生の時から主力として試合に出させてもらいました。先輩たちもブロックリーグで鍛えられたのを見てきたので、私もこの大会で成長して、ここでの経験を後輩に伝えていきたいです。キャプテンとしても、エースとしても、チームを引っ張りたいです。『自分が全部決めるんだ』という気持ちを出さないと、全国の強豪に勝つことができないので、自分が引っ張っていきます」
この記事をシェアする