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U18日清食品リーグ

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三浦仁胡「私が笑顔でいれば、みんなも笑顔になれる」鵠沼(神奈川県)

レポート
U18日清食品ブロックリーグ2025 グループD

鵠沼(神奈川県)はここまで4試合を戦って2勝2敗。エースの大矢夏音選手をケガで欠いており、得点力の低下は避けられません。それでも鵠沼は泥臭く戦うディフェンスのチームであり、自分たちのスタイルを前面に押し出す戦いを貫いています。

三重県に遠征した9月27日と28日の連戦では、オールコートプレスを40分間続けるという戦い方を採用しました。運動量とインテンシティ、ボールに手を出すのではなく身体ごと飛び込んでいく激しいプレッシャーは鵠沼の大きな武器の一つ。普段なら試合の流れを変える切り札として使うオールコートプレスを試合を通して仕掛けていく大胆な戦い方に、選手たちは意欲的にチャレンジしました。

27日の四日市メリノール学院(三重県)戦では、オールコートプレスで相手の出鼻をくじくも相手のアジャストが早く、終盤に振り切られて63-74で敗れました。翌28日の県立岐阜商業(岐阜県)戦でも同じような展開になり、序盤のリードを後半になって失ったものの、終盤に粘り強さを発揮して69-63で競り勝ちました。

相手がリスタートした瞬間からボールに食らい付いていくオールコートプレスは、そのままスティールに結び付く場面もあれば、数多くのトラベリングやパスミス、8秒バイオレーションを誘発しました。守備でのハードワークに全振りして2試合を戦い抜いたことは、新たな経験と自信になったはずです。

エース不在の状況で鵠沼を引っ張るのは3年生ガードの三浦仁胡選手です。オールコートプレスを最前線で引っ張り、多くの下級生がプレーするチームでリーダーシップを発揮。「みんなを背中で引っ張りたいです。スコアに残らないようなところで泥臭く頑張ることを意識し、主役ではなく支配者になることを目指しています」という言葉通り、攻守の中心となってチームを牽引しました。

全員が連携しながらオールコートで走り回るディフェンスは消耗が激しく、終盤の勝負どころで使うだけでも相当なスタミナを要します。そのオールコートディフェンスを40分間、2日連続で続けられたのは、日頃の鍛錬の賜物でしょう。「オールコートディフェンスをやることに嫌な気持はなく、むしろ楽しいです。ボールが取れた時にみんなで笑顔でハイタッチできた瞬間が一番気持ちが上がりました」と、三浦選手は笑顔で語ります。

攻守にこれだけハードワークできる理由は何なのか。三浦選手はそれを笑顔だと説明します。「チームの目標は『ハッピー&エナジー』です。みんなを幸せにする前に、まず自分が幸せになることを一人ひとりが考えています」

そしてもう一つは責任感です。「多くのメンバーの中でコートに立てるのは5人だけで、コートに立つからにはチームを勝たせる責任があります。この遠征に参加せずに今も学校に残って練習しているメンバーもいるし、その中には3年生もいます。そういうメンバーのためにも自分たちがやらなければいけないという責任感を持つようにしています」

攻守に奮闘した2試合を振り返って「まだまだ足りません」と自己採点が辛いのは、その責任感から来るものでしょう。「自分だけでなく一人ひとりに良いところがあるチームなので、困った時に私にボールを集めてくれれば、自分のプレーで周りを輝かせます。エースがいないことを言い訳にせず勝ち切るためには、もっと自分たちの強みに特化したプレーが必要です」

「このリーグ戦で、『あの時はできなかったけど、今はこれができるようになった』という成長を全員がそれぞれ感じられるように。個人としては周囲にも分かるような『支配者』という形をしっかりと作りたいです」という目標を三浦選手は掲げています。

鵠沼らしいエナジー満点のハードワークを遂行しながら、なおかつハッピーも忘れないように。「苦しい時間帯でも感情的にならず、笑顔でいることを意識しています。私が笑顔でいれば、みんなも笑顔になれる。そう思っているので、コートの中で自分自身で気持ちを立て直すようにしています」

エースの復帰を待ちながら、三浦選手はチームを力強く引っ張るとともに、個々のレベルアップをうながしています。『U18日清食品ブロックリーグ2025 グループD』の戦いを終えた時、チームはさらにタフに戦えるチームに成長しているはずです。

「U18日清食品ブロックリーグ2025」 会場での観戦情報

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