高知中央(高知県)は宇野輝コーチが就任した昨年に3年ぶりのウインターカップ出場を果たし、今年は4年ぶりのインターハイ出場を果たしました。「U18日清食品ブロックリーグ」には2年ぶりの出場。8月31日から9月28日までに7試合を戦い、3勝4敗で全日程を終えました。
最後は3連敗となりましたが、初戦で全国の常連である新田(愛媛県)を破り、3戦目には尽誠学園(香川県)に1点差で競り勝つなど価値ある勝利を挙げ、『全国の経験』が足りないチームにとっては良いチャレンジとなったと宇野コーチは言います。
大会を通じて最も大きな経験となったのは、9月21日の柳ヶ浦(大分県)戦です。ファデラ ママドゥ選手とアン イスマエル選手の留学生コンビは高さだけでなく上手さと運動量があり、2人の多彩さをチームで生かす完成度の高さにも圧倒されました。
高知中央の3年生フォワード、濵田涼選手は「柳ヶ浦は他のチームと違って、留学生がオールラウンドなプレーをするところでアドバンテージがあり、ウイングスパンの違いも含めて苦しい時間が多くなりました」と試合を振り返ります。高知中央もセッ ダマティル選手、ンジー モハメド選手を擁するものの、留学生プレーヤーの持ち味をどう引き出すかという点で両チームには大きな差がありました。
身長189cmのパワーフォワードである濵田選手も、自分より15cmほど大きい留学生プレーヤーとのマッチアップで奮闘しましたが、最後はファウルアウトとなりました。「やれることは全部やったつもりです。個人的にも悔しい結果でした」
それでも、宇野コーチを迎えてスタイルを変えた高知中央は、まだ発展途上のチームです。ダブルキャプテンの櫻井太陽選手と濵田選手が中心となり、日々成長していくのがチームの目標。コーチ交代でチームの方針もバスケのスタイルも変わる中で、試行錯誤しながら結束力を弱めることなく前進し続ける3年生の姿勢を宇野コーチは絶賛します。
「全国大会に出ると身体能力のなさを痛感させられますが、それ以上にあの子たちのバスケに取り組む姿勢は素晴らしくて、日本一の意識を持っているんじゃないかと思います」
今の3年生にとっては、高校バスケの途中でコーチ交代があったことになります。チームに起きた分かりやすい変化の一つが体重アップだと濵田選手は教えてくれました。「僕は入学した時は65kgぐらいでガリッガリだったんです。入学してから身長は少し伸びたのですが、体重はすごく増えて、今は87kgになりました」
コート上で激しく戦うための身体作りは、ウエイトより先にまず食トレです。「宇野コーチから『フィジカルがまず大事』と言われて、自分の中で意識が変わりました。1回の食べる量を増やすだけでなく、補食も考えて食べるようになりました。練習が終わったら学校の近くのスーパーに寄って何か食べて、寮の食堂でも食べて。そうやってフィジカルを強くしたことで、かなり戦えるようになりました」
オンコートでもオフコートでも、またバスケに限らず私生活での立ち居振る舞いも含め、濵田選手たち3年生がお手本になることでチームのレベルアップに繋げようとしています。「ダブルキャプテンですが、櫻井がキャプテンで僕は副キャプテンの位置付けです。櫻井がキャプテンとしてみんなを引っ張ってくれるので、僕は黙ってチームを見るようにしています。優しいキャプテンが怒れない時にビシッと言うのが役割です」
高校バスケのクライマックスに向けて、濵田選手を始め3年生が中心となり、すべてを見直してレベルアップに励んでいます。「僕たちはディフェンスのチームなので、ディフェンス、リバウンド、ルーズボールの3つをとにかく徹底して。そこに合わせて留学生の持つアドバンテージをチームで生かしていけば、結果は出ると思っています」
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